#新聞記者 #安定腐敗か交代公正か #暴走を止めよう | Gon のあれこれ

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読後感、好きな太極拳、映画や展覧会の鑑賞、それに政治、ジャーナリズムについて、思いついた時に綴ります。

待ち望まれた日本のジャーナリズムの危機を直視した映画。

 

フィクションだが、安倍政権の腐敗はこの映画以上に深刻である。

 

ジャーナリストの父親が誤報のために自殺した東都新聞社会部の若手女性記者・吉岡エリカは、総理大臣官邸における記者会見でただ1人鋭い質問を繰り返し、官邸への遠慮が蔓延する記者クラブの中で厄介者扱いされ、社内でも異端視されていた。

そんなある日、吉岡は上司の陣野から大学新設計画に関する調査を任される。極秘情報が記された匿名のファックスが社会部に届いたためだ。彼女が調査を進めた結果、内閣府の神崎という人物が浮上してくるが、その矢先、神崎は自殺してしまう。

神崎の死に疑問を抱いた吉岡はその調査の過程で、内閣情報調査室の若手エリート官僚・杉原拓海と巡り会うが、彼は現政権に不都合なニュースをコントロールする立場でありながら、神崎の死に疑問を持っていた。神崎は彼の元上司だったのだ。立場の違いを超えて調査を進める2人の前に、ある事実が明らかになる。(Wiki)

 

 

 

冒頭からしばらくの間、東京新聞記者望月、元文科省事務次官前川、新聞労連委員長南

 

元ニューヨークタイムズ紙東京支局長マーティン・ファクラーの対談が背景に流れる。

 

それは日本の新聞・テレビの危機、権力の腐敗を監視すべく、国民の知る権利の負託に

 

応えるべき新聞テレビが官邸の圧力に屈し、伝えるべきことを伝えていないという危機的状況

 

を語り合うが、それがこの映画の導入部ともなっている。

 

 

なぜかくも新聞テレビは安倍首相ー菅官房長官の圧力に弱いのか。

 

先ずはNHKから。

 

NHKの予算、あるいはそのベースとなる受信料は政権与党の承認が必要だ。

 

職員の平均年収は2千万以上と言われる高給もアベ自公政権の匙加減次第で変わる。

 

加えてNHKの会長を選出する経営委員は政府の決定だ。カネと人事を握る安倍政権。

 

人事人脈を通じて、例えば役員や報道局長を通じて気に入らないキャスターを降板させる

 

クローズアップ現代の国谷キャスターや21時の大越健介の降板は官邸の差し金と言われる。

 

一般には企業などの商品・サービスの広告料で成り立っているとされる民放はどうか。

 

身近なところでは、オリンピックの放映権。放映権はNHKと民放で共同購入するが、どの競技を

 

取るかは民放各社にとって視聴率ー広告料収入、つまり経営の根幹に死活的重要性がある。

 

その割り振りは各社談合だが、「天の声」つまり総務省に影響力をふるうことが出

 

来る族議員のボスが実質的決定者である。

 

かつて長いこと総務大臣を務めた菅官房長官が原案を作りアベが承認する段取りだろう。

 

一方携帯電話やテレビの電波使用料は、圧倒的に携帯会社が負担している。

 

今回の参議院選挙でも若者受けを狙って携帯を安くする、というアドバルーンを上げている。

 

ちなみに2013年度では、NTTドコモ201億、KDDI131億ソフトバンク165億であるが、

 

NHKは18億、日テレが5億、テレビ朝日、フジ、テレ東各社は各4億である。

 

では一体テレビ各社はこの電波利用からいくら収入を得ているか

 

NHKが6517億、フジが3468億、日テレが2277億などである。

 

誰がどう見ても格安な使用料だ。

 

使用料収入650億超の使途について不明朗さが指摘されるが、それ以上にこの安いテレビ各局の

 

使用料がテレビ各社の「うまい汁」になっていることは一目瞭然だろう。

 

電波オークションについては現政権でも「検討」している、と報道されるが一向に進展していない。

 

民主党政権下で欧米の「入札方式」を取り入れようとしたのであるが、時の野党自民党の反対で

 

つぶされた。自民党とテレビ各局との利権はズブズブの関係にあるのだ。

 

そしてアベ政権に都合の悪い番組やキャスター、果てはコメンテーターまで降板の圧力をかける。

 

 

次に新聞社はこれらの利権とどういう関係にあるかというと

 

それは「クロスオーナーシップ制度」にある。

 

テレビ局の設立は読売新聞ー日テレを筆頭に、各全国紙がテレビキー局の筆頭株主

 

である。

 

つまりテレビ局の経営は新聞社の経営と一体化しているのだ。

 

テレビ局の弱みは新聞社の弱みであり、テレビ局の利権は新聞社の利権でもある。

 

しかも新聞社は「株式の譲渡制限」で縛られており、株主構成は変わることなく、無風で

 

自浄作用の働きにくい組織になっている。

 

この法律を維持しているのは勿論自公政権である。

 

つまりはいつでも脅迫のネタになるということだ。

 

望月記者の属する「東京新聞」は名古屋に本社がある「中日新聞系列」である。

 

中日新聞もまたロカール局を保有しているが、フジテレビ系列と関係が深いようだが、

 

勿論、東京のキー局と全国紙の関係ほどの広がりはない。

 

官邸記者クラブにおいて、他の全国紙からの圧力が望月記者に加えられていると思うが、

 

それにめげず、記者としての筋、ジャーナリストとしての矜持を維持しているのは並大抵の

 

ことではない。

 

まだある。新聞の再販価格維持制度だ。

 

これにより新聞は毎日の宅配でも、駅売り、コンビニ売りでも価格は変わらない。

 

もし駅売り、コンビニ売りが安くなったらどうなるだろう。

 

宅配を辞めて通勤時などに安い方を買うようになり、新聞社の収入は激減する。

 

各新聞社はこの制度で「新聞の質を保っている」と言うが、笑わせないでもらいたい。

 

権力の監視をする報道、調査報道など ヒト・モノ・カネもかかり権力と対峙して胆力を試される

 

報道はほとんど見かけない。

 

記者クラブやバンキシャ制度に、政権与党、官庁、業界団体大企業の「発表」を垂れ流す

 

アクセスジャーナリズムだ。

 

各社は他社に抜け駆けされる「特落ち」を恐れて、日ごろかそれらのらネタ元にべったりだ。

 

かつては気骨あるジャーナリスト、戦前の「大本営発表」の愚を再び

 

繰り返すまいと固く心に誓ったジャーナリストが結構いたが、今や絶滅危惧種だ。

 

この際だから徹底して言うが、消費増税に絡む新聞宅配の「軽減税率」も安倍政権批判封じに

 

一役買っている。

 

映画「新聞記者」から逸れたように感じられるかも知れないが、現下の日本のジャーナリズムの

 

状況は映画で取り上げられた事例以上に、闇に包まれかつ根深いのだ、と言いたいのだ。

 

ブロ友「ZELDA]さんは「新聞記者」今すぐ観るべき映画のなかで

 

「真実はすべて、映画の外側、現実の世界にしかありません」

 

と語っておられる。その言葉に我が意を得て、かく「現実の世界」を語った次第。

 

ここらで一休みして、以下に安倍政権とメディアをめぐる問題に関するツイッターを紹介する。

 

 

6年も政権に居座りながら、安倍首相は選挙のたびにアベノミクスを宣伝している。

 

がそれは新聞社やテレビ局が報道しないだけで、アベノミクスは破綻している

 

それを追及している明石さんのブログ。

また、この映画に関連していくつかの著書を紹介させてもらいたい。

 

望月、前川、ファクラー3氏の共著。巻末の対談と前川氏の部分がとても参考になる。

 

 

新聞労連委員長南氏とと望月氏の共著。

 

アベ総理は「息を吐くように嘘をつく」ことを検証している。

 

新聞テレビもこうしたファクトチェックをするべきだ。それがないからアベにいいように

 

印象操作」されてしまう

 

 

アベノミクスがほとんど成果をあげていないことをデータをもとに証明した明石氏の本。

 

 

元NHKキャスター国谷裕子さんとCIAの元情報局員スノーデンの共著。

 

二言目には「私は陰謀論を取らない」と気取る人におすすめ。

 

陰謀論も何も「事実がどうか」が真っ先に問われなければならない。

 

以下に諸氏のツイッターのアドレスを紹介する。フォローおすすめ。

望月氏

https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI

前川氏

https://twitter.com/brahmslover

南彰氏

https://twitter.com/MINAMIAKIRA55

スノーデン氏

https://twitter.com/Snowden

ファクラー氏

https://twitter.com/martfack

 

最後になるが、この映画観客動員数が多くベストテン入りしたそうだ。

 

米国での上映も決まったらしい。我々にこうした映画のニーズが高いということ。

 

次なる映画は安倍政権に阿り忖度して自ら「知る権利」「報道の自由を毀損した

 

マスコミや中央省庁、検察裁判所の「共犯者たち」の告発。

 

韓国映画の「共犯者たちが参考になるだろう。

 

 

 

参考:座談会続編