
今回のC県展の審査員をされた和田 的(あきら)さん。
初めてお会いしたのは6~7年前の◯越での個展会場でしょうか?
仕事で取材した記事で作品を見て「作品が欲しい」と思った作家でした。
当時はまだ20代でしたが、◯越の個展ですぐに完売。
特に、私は彼のぐい呑みが欲しいと思っているのですが
6年は経つのに、いまだに手に入れられません。
今回もぐい呑みは、既に初日完売だったそうです。(泣)
最初は県展の作品の批評をしてもらったりしていたのですが、
そのうち、ロクロの基礎勉強を始めた事や、
「なんで陶芸なんかやってるのかな?」みたいな話にまで発展しました。
そこで、彼の陶芸に対する気持ちを聞いてみました。
彼の作品は、真っ白な天草陶石の特上ものを使っています。
純白で曖昧を許さないシンプルなカタチに、彫りによって面の交差を作る。
この面の交差が、光によって繊細な陰影を醸し出す。
それはすべて、天草陶石と言う美しい素材を最大限に美しく見せる行為。
彼は言いました。
「綺麗でしょ。この天草陶石の美しさをみんなに伝えたい」と。
この天草陶石は、粘土の段階でこんなに白く、美しいそうです。
自然の陶石には鉄分が混ざっていますが、それを人の手で丁寧に分け、
白い陶石だけを選りすぐるそうです。
この白さを際立たせる為に、今回は無釉の作品をメインに作ったそうです。
「無釉だと汚れたりしません?」
という私の愚問に
「しっかり磨きあげてますから、激オチくんで磨くとすぐキレイになりますよ」
と言っていました。
ちなみに、写真上段の作品は10時間磨き込んでいるそうです。
彼は天草陶石の美しさを最大限活かす表現を常に追い求めているのだと思います。
だからこそ、10時間も掛けて作品を磨けるんでしょうね。
以前、彼に聞いた時に
「これくらいの大きさだと5点作って1点取れればいい方なんですよ」
って言ってました。
それでも創り続ける彼は、年齢など関係なく、本当に偉大です。
「天草陶石の美しさをみんなに伝えたい」
これが彼の作品に対する、陶芸に対するコンセプトだと思います。
とてもシンプルでしっかりしたなコンセプトがあるから、
気持ちがブレずに作陶に専念出来るのでしょうね。
『私は陶芸を通して何をしたいのだろう?』
もう一度、自分自身に問いかけてみたい気持ちになりました。
そんな和田的さんの個展が、
ホテルニューオータニの『寛土里(かんどり)』で開催されています。
2012年10月28日(日)~ 11月4日(日)
ホテルニューオータニのロビィ階(6階)のギャラリーです。
赤坂、永田町方面へ行かれる方は、是非ご覧ください。