お墓のスタイルはいろいろあり変化を遂げている。
佐柳島で両墓性の時代を生きて来たので自分の墓はどうあるべきか考えさせられる。
 

明石市が整備したのは「合葬式」と呼んでいる。
骨壺を最大20年間保管する「個別安置室」、
地下部分に遺骨を布袋に入れて合同で葬る「合葬室」、
がある。
 
私は骨よりも「墓石」やそれに代わる「記名板」の方が気になる。
古来、遺体は埋葬され土盛りの上に自然石を置いたと聞く。

また、遺体は焼かれ骨を直接埋めたり、骨壺に入れ石室に安置された。
名前を刻んだ墓石は江戸時代に一般に普及した。

それ以前は自然石であったり木の墓標に名前を書いたのだろう。
この方式は単墓制である。

両墓制は遺体を埋葬した上には実名を書いた小さな石塔を置き、離れた場所に戒名を刻んだ立派な墓石を設置する。一人に対し2つの墓を造る。
 
佐柳島の両墓制も今は時代の波に乗り形を変えてしまった。
多度津町で葬儀と火葬を済ませ遺骨を持ち帰り墓に納骨する。

今の墓は骨壺を納められるようになっている。
さらに戒名ではなく「〇〇家の墓」と刻まれ一族が将来にわたって納骨できる。
 
土葬→火葬
遺体→納骨
戒名→〇〇家
両墓制→一族の単墓制
 
このような変遷を遂げている。
さらに在島民が過疎化で絶えると墓の文化も絶えて荒れた墓だけが残るだろう。
 
都会ではお墓のマンションがはやりだ。
老いてくると遠くの霊園までは行くのがつらい。

子や孫が行きやすいようにと。
墓石や区画を確保するのも大変だしお金もかかる。

墓はいらないと言う人もいる。
また、生前に自分の墓を建てる人もいる。

どうするかは残された遺族の問題だと考え今は結論は出さない。
自分の墓はともかく連れ添いの墓が先に来る場合だって考えられる。