先日、久しぶりに鉄道の写真を撮ってみました。
私は、子供の頃からけっこうな鉄道好きですが、鉄道の写真を撮ることはあまり無いので久々の撮り鉄でした。
お目当ては、住処から近場にある 『天竜浜名湖鉄道』 です。
この沿線沿いは、低い山々が連なり、その麓のなだらかな斜面に広がるお茶畑があったり、その先には決して広くはない平野が開けていて、水田や畑が広がっている。このように、長閑な静岡県っぽい日本の原風景を思わせる風景が続くので、私はこの辺りを訪れたり通ったりするのがとても好きなのです。
そして、原風景とよく似合う古い木造駅舎が建っている駅が何ヶ所かあり、なかなか味わい深い郷愁を感じさせてくれます。
ちなみに、↑ここは遠江一宮駅で、北へ450m程歩くと県道との信号がある交差点に差し掛かります。すると、その手前右側に、JAの直売所とファミリーマートが一体営業している店舗がありますので、コンビニ商品に加えて旬な野菜や果物を買うことが出来ます。
もしも、この駅でうっかり降りてしまったら次の列車が来るまでの間、長閑さを感じる以外に、旬な農作物をお土産に買ってみたり、食べ物や飲み物を買ったりは出来ることでしょう。
この駅舎もそうなのですが、天竜浜名湖鉄道の古い施設は、国の登録有形文化財に登録されている建物等が多いので、このローカルな雰囲気は今後もしばらくの間は残ってゆくのではないでしょうか。
列車が入ってくるとまた、良い雰囲気になります。
話がズレるのですが、私が小学生になって間もない頃、校門の前で図鑑を並べて販売していた業者がいました。それは、生き物や乗り物、身近な生活に関わる科学など、カラー写真や絵をふんだんに用いてあり、見ているだけでそれは楽しそうな図鑑でした。
好奇心旺盛な年頃の子供は勿論イチコロでして、購買申込書を家に持ち帰り毎月一巻ずつ届くはこびとなりました。
全部で十数巻だと思いましたが、その中の一巻で 「鉄道」 の巻がありました。これには、車両の種類やその構造はもとより、鉄道運用の仕組みとそれに伴う線路の周辺住民との間に起きた問題点なども詳しく描かれていました。
決して、子供だましのようなチャチな図鑑ではなかったので、思いっきり引き込まれました。鉄道のない町で育った私が、多分このときから鉄道を確かに認識して好きになったのだと思います。
私が知っている鉄道の知識は、現在のJRではなくて 『国鉄』 の頃に理解して覚えたことです。ですから私の鉄道好きは、概ね国鉄時代の鉄道に搾られるのかもしれません。
そして、その時代のローカル列車でよく見かけたのが、オレンジ色とクリーム色で塗られたツートンカラーでした。
私が育った地域の近くにも、田園風景の中をツートンカラーの列車が走っていました。稲が育って緑色が一面に広がる水田と、そこを割って走るオレンジ色とクリーム色の列車とのコントラストを見るのが好きでした。
丁度、このようなコントラストに。。。↓
実は今回、これが見たくての撮り鉄行動でした。これは、国鉄時代の車両ではなくて、現在の車両を国鉄色と称して塗ったのです。
なんせ今年は、国鉄二俣線 (開業当時の名称) 全線開通80周年なので、その記念事業の一環として一車両だけを国鉄時代の色に塗ったのだそうです。
一面の緑と、オレンジ色とクリーム色、そして青い空に白い雲。。。 なんだか、とても懐かしい気持ちになりました。
この駅では、天竜浜名湖鉄道のオーソドックスな色で塗られた車両を見ました。おそらくこれが、レギュラー色なのでしょうね。
この駅舎とホームも、国の登録有形文化財だと、入り口付近の説明板に記されていました。清水次郎長の子分だった 『森の石松』 の出身地と、
伝えられてはいるものの諸説あるみたいですよ。
私が住んでいる静岡市から車で、浜松市水窪町の山奥に高速道路を通らずに向かうと、今回写真を撮って回った天竜浜名湖鉄道沿線の掛川駅付近から天竜二俣駅までの間はほとんど、線路と並走するように長閑な風景の中を一般道を走ることになります。
この長閑な風景を楽しんでいるムードを壊さないが為に、コンビニには寄らないで木造駅舎がある駅に立ち寄り、自販機で缶コーヒーを買って休憩したりします。
今まで不思議とカメラを向けることなく、雰囲気だけを味わって通り過ぎていた場所ではありますが、そんな中でも今回みたいに写真を撮るためにでも、車を降りてはそこそこ歩き回って気に入った風景を探し、そう言った場所で短い時間であってもじっくり過ごすことがけっこう有意義で満足感があることなのだと、あらためて私は思いました。
そうそう、この時期は朝のうちにトウモロコシを買っておきます。平日でも売り切れる時間はけっこう早いですからね。勿論、帰宅後にゆでて食べたけど、非常に美味しかったことは言うまでもないことです。
私にとっての、何もない長閑さ、何も求める必要がない風景、郷愁をかきたてる時間が、ここの一帯にはあるようです。
今日も訪ねていただきまして、ありがとうございました。
それは、またです。