熊野古道の一路である伊勢神宮より熊野本宮と速玉大社へ通ずる 『熊野古道・伊勢路』 があります。古くには、 『伊勢に七度、熊野に三度』 という言葉があったほどに、誰もが訪れたいと願う憧れの地であったのだそうです。

 

 しかしながら、その道程は決して短くはなく険しいいくつもの峠を越えて行かねばなりません。歩くより他の手段がなかった時代に、憧れていることをやり遂げるのは多分に難儀なことだったかもしれません。

 

 車やバス、鉄道などでの移動が当たり前となっている現代人の私たちが、熊野古道の伊勢路をあるき通すことはより一層、難儀なことなのかもしれません。

 

 それでも、気楽な散歩程度の労力で極力歩く距離が短い路で、熊野古道の雰囲気を感じる場所はないだろうかと思って探していたら、松本峠に行ってみようということになりました。

 

 JRでアクセスしたとしても、熊野市駅から隣駅である大泊駅までの間を歩けば済むショートコースです。熊野古道・松本峠を越えての距離は分かりませんが、両駅の間を車で走ると3km程なので峠を越えて歩く距離は4~5km位かなと推測しています。

 

 そして更に、私たちが歩いたのは半分にも満たない距離を、正に散歩気分で歩いてみました。熊野市駅側から車で松本峠の登り口まで近づいて行きます。

 

▼東紀州地域振興公社のHPより引用

 

 

 

 正法寺付近にある松本峠への登り口から歩いてみることにしました。最初は市街地の山側の景色を見ながら登ることになります。

 

 松本峠の標高は 135m です。歩いているといつの間にか着いてしまいますので、じっくりと目に入ってくる景色を眺めてこの地域の雰囲気を感じるのも良いかと思います。

 

 ただ登って降りてくるだけなら 30分 もあれば充分かもしれません。あくまでも熊野市駅側から登った感想ですが、峠道ですから坂は坂なのですが険しい所はありませんので本当にお散歩気分で歩けました。

 

 

 

 

 海と山に挟まれた僅かな平地に民家や作業場、雑居ビルなどの建物がひしめき合うように建ち並んでいる。

 

 決してこの辺りにおける町の出来方が独特なものではないと思うのですが、それでも何故か 「ああ、こういうところが紀伊半島だよなあ。。。」 なんてことを思っています。ただ何となくなのですがね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 松本峠からは優美な海岸線を持つ〝七里御浜〟が遠くまで望むことが出来ます。加えて、いくつもあるこれまた美しい山並みと併せてお楽しみください。

 

 この先は熊野古道伊勢路における目的地の一つである速玉大社に通じています。

 

 伊勢から速玉大社を目指して遥々歩いて来たとすれば、この松本峠が最後の峠となり後はほぼ平坦な路を歩けば良いのです。昔の旅人はこの景色を見るや、どれだけホッとしたことでしょう。

 

 眺めていたらいつの間にか、そんな想像をしていました。

 

 

 

 

 今日も訪ねていただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

 

 それでは、またです