4曲目が素晴らしいです。



最後のH → E♭ → H → Cm → B♭ → E♭ の移行で、

シャープ系 → フラット系の調へふらふら輪郭ぼんやり、でも透明感。

合いの手のフルートの鳥の鳴き声が、

すごく遠くから響いてくるイメージ。



場面にたとえるなら、

今日みたいに空気は冷たくて、

空は透明と言いたくなるくらいに青くて、

穏やかな夕陽が照らす冬山を見上げながら、

霧の中を歩いて行く感じ。


景色は依然として明瞭なのに、

自分と世界との境界はどんどん曖昧になっていって、

最後はそのまま消え行くように、霧の中でふっと姿を消してしまう。

そんな印象を持ちました。


こういう死の風景もあるのだと、感じました。



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