4曲目が素晴らしいです。
最後のH → E♭ → H → Cm → B♭ → E♭ の移行で、
シャープ系 → フラット系の調へふらふら輪郭ぼんやり、でも透明感。
合いの手のフルートの鳥の鳴き声が、
すごく遠くから響いてくるイメージ。
場面にたとえるなら、
今日みたいに空気は冷たくて、
空は透明と言いたくなるくらいに青くて、
穏やかな夕陽が照らす冬山を見上げながら、
霧の中を歩いて行く感じ。
景色は依然として明瞭なのに、
自分と世界との境界はどんどん曖昧になっていって、
最後はそのまま消え行くように、霧の中でふっと姿を消してしまう。
そんな印象を持ちました。
こういう死の風景もあるのだと、感じました。
- R.シュトラウス:歌曲集/シュワルツコップ(エリザベート)
- ¥1,500
- Amazon.co.jp