曲を作り始めて思うこと。
本当に心から共感したものでなければ、
音楽にすることはできない。
どんなに素晴らしいと言われる音楽であっても、
自分の生きてきた中で感じた経験が不足していたり、
イメージが追いつかない音楽は理解できない。
人に震えるほどの感動を与える音楽を書いた人は、
自身も震えるほどの感動を覚えた体験を持った人だと思う。
目の前に広がった景色に心から共感して、
その時のイメージを、音楽にしたのだと思う。
曲にするには場面を組み立てて構成しなければならないから
多少の脚色や演出は必ずあると思うけど、
それでも個々の音楽には、必ず作曲家自身の真実が含まれていると思う。
髪をかきむしるような焦燥感であったり、
うきうきするような楽しげな気持ち、
満ち足りて平和な気分。
暗中模索の中で見つけた真実。
第九は、
ベートーヴェン自らの人生をかけて、
持てる技の限りを尽くして、
本気の本気で書き上げられた曲なんだと
改めて実感しました。
3楽章を聴いて、
静かに涙が流れていきました。
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