5番の終わり方が今まで不思議だったのですが、
これを聴いて少し納得。
Original scoreは、今世に出ているものと比べると
確かに冗長で、メリハリが少なく聞こえてしまうのですが、
聴きようによっては改訂版より穏やかで、茫洋としていて、
生の自然を描き出しているようにも聴こえます。
1楽章には穏やかな春の風が(一部)。
4楽章の動機(改訂版では3楽章)が、
鳥の鳴き声のように変奏されたり。
(やっぱり終楽章には、鳥が登場するのだなぁ、と思った)
改訂版ではそれらがもっとスマートに、
抽象的に表現されているように感じます。
オリジナルでは鳥の鳴き声。
改訂版では鳥が空をまっすぐに飛んでいく、
その軌跡。
(終楽章・提示部にあらわれる転調は最高です。
なんでこんなに単純な動機なのに!!!)
シベリウス先生は、最小限を語ってたくさんを表現してるように思います。
個人的に、宮城谷昌光さんの文章を思い起こさせます。
押し付けがましくないのに一つ一つに説得力があり、
紡ぐ言葉は最小限。
そして深く、悠然としたものを語る。
クールです。
聴いててスッキリしゃっきりしたいときには
聴き応えのある改訂版を。
爽やかです。
- シベリウス:交響曲第5番変ホ長調/オスモ・ヴァンスカ(指揮)ラハティSO
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