音楽療法とは・・・講演 終了
という事で、無事終了いたしました。
真剣に勉強しようと思っていらっしゃる方や、無理やり参加させられた方や、様々な方がいらっしゃいました。
不思議ですね。目力(めぢから)を感じました。やはり目を見たら大体の事がわかってくるのですね。
どんなに興味があるのか?ないのか?
そんなことを感じながら、まじめに、まじめに、進めていきました。
では、我娘の論文の続きを・・・・・・
・高齢者への音楽療法
今の日本は、高齢化社会が進み、世界で一番の長寿国となっている。高齢者を一人の人間として尊重して向き合うためには、人からうける愛情や生きている間にやっておきたいといった生き甲斐の源となることなどの問題は、必ず問題として取り上げられるだろう。その問題を改善していく活動を行っているのが音楽療法なのである。
高齢者の音楽療法の目標は二つある。一つ目は、いかにその人らしく生きられるか、その人が持っている最大限の可能性を見つけだし自己実現ができるよう援助することである。この援助が充実すれば高齢による精神障害は、かなり予防できると言われている。二つ目は、一般的に言われているQOL根性のための援助で、人格が保持できない状況の人(十度の痴呆症者や精神障害者など)や死にしている人に、生きている限りその人の生活の向上を援助するものである。
高齢者は身体的、心理的、社会的な状況変化に伴い、喪失の道をたどると言われている。失うことのみ多い日常生活で、老いの自覚は生理的要因より心理的要因によるものが大きいのである。心身の諸機能の衰えに従って協調性も低下してゆくのは当然のことだと言える。音楽は、失ってしまった大切な人や仕事について触れることなく、身体の能力や認知力が衰えてきた数多くの高齢者の方に、生きる活力をもたらす力を持っている。それだけではなく、間違いを犯すというリスクを負わずに現実にあった行動を必要とするので、認知面に大きな問題がある高齢者であっても、音楽的な課題をこなし、自信をつけることが可能になってくるだろう。
現在便利さや効率の良さを求めた日常生活に囲まれた世の中の中に隠れて、あとまわしにされ、置き去りにされ、忘れてしまったものがある。それは、「人間本来が持っている本来の力」である。患者さんは、その力をなくしてしまったのではない。十分に思い出せなくなってしまっただけなのだ。私たちは、患者さんの「人間が本来持っている力」を取り戻し、呼び覚ます介助が必要だと思う。「人間本来の力」を取り戻すために、「ゆったりする」といった有効な無駄も必要である。効果が出るまでじっと待たなければならないが、少しの効果でも認められるのならばそれは患者さんにとっても、私達にとっても「思いもよらない贈り物」となるだろう。
音楽療法師に答えてもらったインタビュー結果から見ていこう。
①音楽療法中の演奏の構成はどのようにしていますか。
A.構成はプログラムにそって演奏をしている。まず、プログラムを説明しよう。
①開始の挨拶 季節や行事の話などをし、不安を軽減させる。
②個別の挨拶 替え歌やオリジナルの歌を歌う。
アイコンタクトやスキンシップをとりながら個別に挨拶することで、信頼関係を築き安心感を与える
③軽い動き 指・顔・手首・足・首・肩など好みの動きを模倣しあう。(まねしあう)
④季節の歌 誰もが知っている季節の歌を演奏する。
この曲を聴くことにより、今の季節感を感じとってもらい、季節感のある唱歌などから会話へとつなげ、きっかけをつくる。
例: 春が来た・もみじ・早春賦・赤とんぼなど
⑤好みの歌 大正~戦後~昭和 耳慣れた曲
演歌・民謡・唱歌・童謡などの曲で感情表現や自己表現を促進する
例:木曾節・待ちぼうけ・七つの子・夕焼け小焼けなど
⑥ゆっくり聞こう ゆったりとした心の落ち着く曲
音楽を聴いて記憶を思い出したり、懐かしい気持ちになったり、
ウキウキな気持ちになる
例:琵琶湖就航の歌・物語の歌
⑦みんなで歌う よく知っている童謡やわらべうたを歌う
大きな声を出して歌い、口や手、体を動かし気持ちを発散させる。
そしてそのことが血流を活発にさせ、言語訓練や脳の活性化に好影響を与えている
例:バラが咲いた・水戸黄門・かかしなど
⑧閉会の挨拶 BGM的な曲を流しながら終わりの話をし、易しい曲で終わる
この曲を流すことで終わりを感じさせ、心に余裕を持たせ、次回への期待感を持たせる
例:さとうきび畑など
主にこのプログラムで演奏を進めていくが、その時の患者さんの反応を見て曲を変更し、手遊びを加えるなどの配慮をしている。演奏する曲は50曲以上用意してあるが、療法中に演奏するのは20~30曲程度である。
②音楽療法中に、効果が表れていると判断していることは何ですか。
A. 一番に顔つきを見て判断している。(動作や目つきなど注意深く観察する。)
この答え以外にも別紙で私が思う療法の効果を挙げ、その中の音楽療法師が見て判断する効果とその具体例も聞いてみた。
その結果・・・
★手や足が動くようになった
例:療法の時にいつもは動かさない人が、曲によっては手が少しずつ動き出したりする。
★声がでるようになった
例:一斉に声を出す歌になると急に元気になったりする人もいる。
★歌を歌うようになった
例:音楽療法に参加し療法師に慣れ親しんだ方は、歌を聴いたり歌ったり、一緒に体を動かしたりするようになる。
★笑うことが増えた
★泣くことが増えた
例:懐かしい曲、思い入れのある曲を聴いた時に感動のあまり泣き出す人も数人いる。
★気分がよくなる
例:療法を受ける前より、明るい表情を見せて帰っていく。
このような効果が療法師から見ても効果が表れていることが分かる。
③効果が現れない患者さんもいらっしゃると思うのですが、その理由は何だと思いますか。
A.それは人それぞれだが、患者さんの過去の生活環境などを調べてみないと分からない。これからその患者さんに対しての療法としては、職員の方に患者さんの事について詳しく聞き、患者さんに合う音や音楽を作り出すことが大切である。そして、この療法を続けることで効果が表れる可能性がでてくるのだろう。
では次に、介護者の方に答えてもらったインタビュー結果を見てみよう。
① 音楽療法を取り入れて変わったことはありますか。
A.患者さんの表情が豊かになり、笑顔が増えた。
② 音楽療法の良いところはどんなところだと思いますか。
A.精神面でのフォローや運動面でのプラス面が大きいこと。認知症の方々のケアが出来る。
③ 患者の方に変化が現れた理由は何だと思いますか。
A.療法時の雰囲気が良く、音が刺激となり、心や体に響きわたり効果を表わすと思う。
④ 患者の方に効果が現れなかった理由は何だと思いますか。
A.寝たきりの方は療法に参加するのは難しい。その他に、認知症が重度の方は音楽に無関心の方もいるからだと思う。
では、次に介護者が音楽療法の効果が現れたと判断した患者さん9名へのインタビュー結果を見ていこうと思う。
患者さんは認知症などの病気を持っているため、上手く話せない、質問に答えるのは難しいということが分かり、介護者が問いかけ患者さんがうなずくといった方法で答えてもらった方と認知がはっきりした方にはきちんとした意見をもらった。
① 音楽コンサートは楽しいですか。
A.とても楽しい(9名)
② 音楽コンサートの何が好きですか。
A.私自身も楽器を演奏出来たりするところが良い。オルガンの音が好き。曲が自分達の年代に合っていて分かりやすいし、楽しい。
③ コンサートを受け始めて、あなた自身が変わったなと思ったことはありますか。それは何だと思いますか。
A. ・体操や体を動かすのが好きになった。(6人)
・人と会話が好きになった。(6人)
・歌が好きになった。(8人)
・気分がよくなった。(9人)
④ 音楽は好きですか。
A.好きです。(9人)