桧と杉で造った水屋箪笥の木地に漆を塗って透き漆で仕上げました。
右側が上置きです。
左側の下置きの前上に差し込んだダボ(小さな木)に合わせて上置きをのせます。
ダボが入る上下に穴をあけてはめ込んでありますので上置きと下置きのずれを防ぎます。
左の写真は、元の水屋たんすの板戸の建具と新しく塗った板戸の建具の朱の赤を見比べています。
「明るい方がいい」とおっしゃっていましたので、上塗りではけっこう悩んで。。。。
撮った写真によってもまた全然ちがった明るさの赤色に写る(上手く撮れません~)ので画像がいっぱいになって。。。
漆を塗った部材の組付けから仕上がりまでの様子を、ちょっと長くなってしまいましたがご覧いただけたらと思います。
組付ける前にご飯で糊を練って~~ 右側の写真くらい練ってボンドと合わせて糊を作ります。
紙をはがしてきれいにした所に糊を入れて。。。。
桟の組付けるところにも糊を塗って組付けていきます。。。。
締め付けながら、はみ出た糊は水でふき取って。。。
糊が残ったままだったり、手の油が着いたままだったりを、そのままにしておくと布や水で拭いただけでは取れきれず形が残ってしまいますのでほんと気を使います
なので、私が手伝うときにはよくゴム手袋をはめて手伝っています
横の側板は外側が朱の漆を塗っていますので板が反らないように反対側も生漆を2回摺り込んでいます
横の側板は、引出しや棚板、底板、裏板の内側が木地のままなので、ここも生地のままの方がキレイで明るくて良いような感じがしますが、やはり板が反ったり割れたりすると具合が悪いので生漆で固めています。
引出しを入れて様子を見ています。
裏側から引出しの収まり具合を調整しています。
上の段(上置き)を組付ける直前に糊を作っています。
写真ではなかなか作業の雰囲気をお伝えしずらいのですが、ここは糊付け・組付け・締め付けに集中しており⁑話しかけるなオーラ⁑たっぷ❕❔なのでササッと写真を撮って去ります
水屋の背が高いですね
枠の組付けができました。
天板に貼る板が乗っていますが、釘を打つ前はこんなにもたるんでいます。
板の縮みによる割れを防ぐために浮いた板をぎゅっと押さえてぴったと詰めて釘を打ちます。
手で押さえたり木を重しにしたりして板を押さえながら釘を打ちます。
底板を貼っています。
引出しが入った下置きは杉の天板、裏板、底板ができました。
上置きも杉の天板、裏板、それぞれの底板ができました(裏面から撮った写真)
開き扉の中の棚板です。
取り外し可能
ガラスの引戸が入る中の棚板です。
取り外し可能
棚板の裏側
棚板がはまった状態
下置きの三ツ割の引出し
下置きの板戸。。。こちら関西圏の水屋ではこういう配色(赤と黒)や建具が縦桟などあまり見かけないのでチョットびっくりしましたが、、、
下置きの板戸の裏側。。。やはり生漆で固めています
上置きのガラスをはめた建具。。。元は亀甲金網でしたがお客様のご意向でガラスに
裏側
上置きの一番上の板の引戸
裏側
赤と黒
中は杉の白木のままで。。。なんか落ち着きます
少し中が見えると使いやすそうですね
ガラスの中から撮ってみました。。。明るい❣収納が楽しくなりそう
時代金具の取っ手が付いた小さな開き戸
2枚の棚板は取り外しができますのでちょっと背の高いものを入れたい時など便利です
この取っ手は鉄の手打ちの金具です。
時代箪笥についている金具を再利用したものですが、現在ではとても貴重で高価な物となっているようです。
ふっくらとずっしりとした触り心地の良い取っ手の金具がこんな風に利用されて嬉しいですね
大きな水屋箪笥にしたら小さな金具ですが全体をしっくりとやさしい雰囲気にしてくれるので好きです
職人さんの銘入り。。。お嫌でしたらいつでもはがせるように和紙に書きましたと職人さんが言っております
桧と杉で造った木地のままの水屋箪笥
漆を塗って仕上げ完了。
後ろは杉の木地のままです。
漆塗りの水屋たんす正面から。
長々と最後まで御覧いただきありがとうございました🙇🙇🙇