子供の頃、極度の恥ずかしがり屋だった私。
人前で話すと顔がカッと熱くなってどうにもならなかった。
みんなに変に思われないかと憂慮し、話し終わったら終わったで、ああでもないこうでもないと後悔した。
たぶん、いろんな雑念に囚われていたんだと思う。
しばらくそんな自分が続いたが、社会人になって否が応でも大勢の人の前で話さなければならない場面に遭遇した。
それも千人位の前でだ。職場の同僚や後輩もいたので、できないとは言えず任せとけみたいなノリで引き受けてしまった。
流石に前日は眠れなかった。登壇時間が近づくにつれ、心臓がバクバク、脚が小刻みに震えてきた。
さてとばかりに、ステージの中央に立ったのはいいが、周到に用意した原稿に目をやる間もなくスピーチを終えた。
支離滅裂だったが、下を向いちゃいかんと思い聴衆とのコミュニケーションに徹した結果だった。
それから、何度となくスピーチの機会をいただくうち、おぼろげながら自分自身が見えてきた。
バクバクはこれからもずっと続くな、原稿は一生読めないな、等々。
心臓バクバクは柔道の試合の前にも必ずなる。トライアスロンも然りだ。
つまり、これは自分自身が一生懸命だからこそのバクバクなわけで、チャレンジの証なのだ。
ならば、今日もバクバク来たぜ、いよいよだな、って考えればいいやって思うようになった。
バクバクが来ると「よーし!来たぜ~」ってな感じで思い切り笑顔が出せるようになった。
緊張はストレス、でも、このバクバクは「高揚」。歓迎すべき「昂り」なのだから、身体のなかに発生したら満面の笑みで受け容れてあげればいい。
私はバクバクを克服したのではなく、バクバクを味方につけたのだった。
ちなみに、いまはスピーチ原稿は用意しない。話す順番を示すテーマを箇条書きに並べたメモを卓上に置いて話している。
極端に人が苦手な私でも、それを悟られずに毎日生きている。
笑顔よりゴージャスなものは、この世にはないんだ。
今日もゴージャスな一日を!
