風が強くとても寒い土曜日ですが、これから浜松まで走り、先日の雪辱を果たすべく
林道ツーリングに参加して来ます。
昨夜納車されたCRF250Lはセルを押すと呆気なく目を覚ましトトトトトっと、タイガーに
比べると、何とも可愛らしい音を立ててアイドリングをおっ始めます。
さすが天下のPGMFI、庄屋さま、冬に始動性が良いのはありがてぇ事でごぜ～ますね。
今日はすっ転んでやる。
私はそう決意しているので、脊髄、肩、肘にハードプロテクターを入れたクシタニのオール
ウェザージャケットと更に胸部プロテクターを着込み、足にはkissレーシングの可動関節付き
ニープロテクターを装着して準備万端です。
チェ～スト！！
ヘルメットを被り、そう叫びながらCRFに跨りますた。
このバイクのシート高は875ミリあるので、よくフランス人と間違われる身長168センチの私が
跨ると両足のつま先が辛うじて着く感じです。まぁ、お尻をズラせば片足はベッタリ着くので
大丈夫でしょう。
ヒゲの生えた新品のブロックタイヤに気を遣いながらスロットルを開き、家の前を通る国道１号に
出て走り始めます。実際このバイクに乗るのは数分の試乗以来、今日が初めてです。
高いポジションと慣れないハンドル位置に戸惑いながら、ギクシャクした運転で伊勢湾岸道の
豊明インターから高速に乗り、同行するR師匠が待つ東名の美合PAを目指します。
いつもは高速の流れをリードするのに十分なパワーを持つタイガーに乗っているので、最初
100キロ以上軽く、100ps以上非力なCRFはどうにも頼りなく「弱者」になった気分でしたが、
それもすぐに慣れてしまい、走行車線の流れには問題なく付いて行ける事が分かりました。
単気筒だからと心配していた振動も無く、意外に快適です。
ただ、強い向かい風なので、5速に落として前の車を追い抜いて、6速に戻すと風に負けて
急激に速度が落ちてしまいます。23psだもんね。仕方ないか....
BMWのセルタオでお出でのR師匠と合流し、三ヶ日JCTから新東名へ...
私的には一応、慣らしとかしようかなと思っていましたが、R師匠がそれを許さない
速度で走るので仕方なく付いて行きます....
あぁ、タコメーターが無くて良かった...世の中には知らない方がいい事って有りますよね....
エンジンからピストンが飛び出しそうな勢いで走り、１時間掛からずに新東名浜松SAへ、
ここのスマートETCを出た所で地元のOさん、東京からお出でのSさんと待ち合わせです。
その前にR師匠とカレーで朝食、本当は石松の餃子が食べたかったのですが、営業前で
残念でした。
「所でR師匠、ボクのバイク昨夜納車になったんですけど、慣らしとかした方がいいですよね？」
私はブヒブヒと夢中になってカレーを貪るR師匠にそう問い掛けてみました。
「何言っとるんじゃボケ！最初が肝心だがや。ガンガン回したれや。反吐を吐いたら頭から
水を掛ければええんじゃ！
気絶するまでぶつかり稽古したらんかい！慣らしなんぞ二流の男がすることじゃい！」
いや、反吐吐かないし、ぶつかり稽古もしないと思うけど....
どうやら聞く相手を間違えたみたいです。R師匠は、あるプロスポーツの指導者で、その
筋では脳みそが筋肉で出来てると噂されており、またそのスパルタ振りは星一徹も泣きな
がら逃げ出したと伝説になっています。
しかし、私は数ヶ月前に氏のセルタオが納車された折、腫れ物に触るように丁寧に扱い、
ツーリングの誘いも慣らしが終わって無いからと断っていた事を知っています。
ついさっきもスタンドでガソリンを入れる際、ノズルから垂れたガソリンが一滴セルタオの
タンクに付いたら、慌てて舌でペロペロ舐めていました。
他人に厳しく自分に優しい.....私はR師匠のそんな徹底した自己中心的な生き様を尊敬して
います。
ETCゲートから外に出ると、今日案内して頂く地元のOさんはWR250Rで、東京のSさんは
F650GSで既に到着しておられました。Sさんはしゃがみ込み「今日もよろしく」とか、タイヤに
向かってボソボソ話し掛けています....優しい人なんですね....
少し山に向かって走れば、すぐ林道の入口です。
私も森の中へ続くフラットダートを皆さんの後へと続きます....
前回来た時はタイガーを倒さない事で精一杯でしたが、今回は違います。かなり頑張って
アクセルを開けて走りました。
道は段々と荒れ、大きく削られた轍や急勾配のガレ場になりますが、CRFは驚く程走りやすく、
多少テールが滑っても、立て直しは容易です。※だいたい他のオフ車は知らないし....
CRF250Lは車重143キロとこの手のマシンとしてはかなり重いのですが、私の様な低レベルの
乗り手からすれば、穏やかな出力特性も扱い易いですし、大体、普段乗っているタイガーに比
べれば、ぶったまげるほど軽く感じます。
乗り始め気になったポジションやハンドルの違和感はいつの間にか消えてしまいました。
少々雑に扱っても林道で遊び倒す積りで買ったバイクなので気が楽です。
確かに急な上りでは、もう少しトルクが有ったらと思う事も有りましたが、それでも初心者が
お遊びで走る分には十分だと思います。
とにかくメチャクチャ楽しいです！！
大袈裟かも知れませんが、久々に生きてて良かったと思いましたよ。ＷＷ
信州から流れて来た雲が1日中風花を舞わせる寒い日でしたが、走っている間は汗が
滲むほど熱くなりました。
山の上の木が伐採されて開けた場所でSさんが淹れてくれたコーシーを飲み、登ってきた街の
方に目を向けると
遠くにキラキラと光る遠州灘が見えますた.....
泥濘んで深くえぐれた場所でフロントを取られてコケそうになったり....
急に現れる凍結した路面にビビったりしながらも、皆様には申し訳ありませんが、コケる事も
無く、無事生還しますた。
新車は１日にしてこの有様ですけどねＷＷ
でも、とにかく楽しかったです。
名古屋に戻って家に帰る途中、洗車場でバイクの泥を落としていたら、雪が降って来ますた。
林道かぁ～、またすぐにでも行きたいなぁ～
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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