現代農業9月号に執筆した 元の記事
こうじ
氷点下の夜、麹の手入れで糀むろの戸を開けた瞬間、白い湯気に包まれ糀のパワーをもらった様な感覚になる。
こうじ菌が増えていく時に発熱する温度だけで20畳の空間を糀が25℃に保つ力。外はマイナス8℃なのに。
日本酒つくりで大事にされている。一麹 二酛(もと)三造り 一番大事な糀。
味噌、醤油、日本酒、みりん、塩こうじ、甘酒に使われる糀。その魅力を若者ながらお伝えしたいと思います。
実家は明治元年創業の五味醤油。東京農業大学を卒業し食品・調味料のメーカーに就職して味噌と調味料の開発を担当して、帰ってきて5年になります。社名が五味醤油ですが、30年ぐらい醤油はお休みしていまして、小規模ながら味噌とこうじの販売、その合間に味噌作り教室などを発酵の魅力を伝える活動を続けています。地元の小学校で大豆作りから味噌作りまでの1年を通した食育の授業を行いました。また公民館、小学校などでの講習を今シーズンは30カ所行いました。※WEBで手前みその歌見れます。
【甲州みそ】
五味醤油は、山梨の郷土料理「ほうとう」に使う甲州みそをメインで作っています。味噌は糀の種類によって味噌の呼び名が変わってきます。注下の図で
大豆+米こうじ+塩=米味噌 80% 全国
大豆+麦こうじ+塩=麦味噌 10% 九州、四国の一部
大豆こうじ+塩=豆味噌 5% 東海(岐阜、三重、愛知)
大豆+米こうじ+麦こうじ+塩=調合味噌 5% 全国 (甲州みそ)
山梨は水はたくさんありますが、山が多いので斜面が多く、今米どころと呼ばれる地域は寒くてあまりたくさん収穫できなったそうです。
でも味噌を作りたいと考えた先人達は、米の裏作で作る大麦を入れて味噌を作ったと考えられます。味噌作り教室や、こうじの話をするとき 手作り味噌の糀の割合を聞いていますが面白いことに、みんな微妙に違います。米こうじと麦こうじの比率が違ったり。塩の量だったりと。山梨の狭いエリアだけでも手前みそが色々あるなと感心しています。
【こうじの字】
こうじって糀でも麹どっちでもOK。諸説ありますが、①米こうじには糀。麦こうじのは麹。②麹は中国から伝わった漢字、糀は日本で作られた国字だそうです。糀は商品とかお店の名前で良く見ます。こっちの麹は教科書などで見かけます。
個人的には糀のが素敵だと思います。米に花が咲くロマンチックです。
作り方
米や麦の穀物を洗って水に漬けて、蒸かして、38℃まで冷まして※種麹をまいて
※種麹屋さんは全国に10社。全国にあるこうじ屋さんは種麹屋さんから購入しています。もちろんウチも種こうじ屋さんから購入しています。
種麹も普通の麹と作り方は同じですが3日かけてつくるところを4日~5日掛けて作り胞子をたくさんつくってふるいにかけてパウダー状にして販売しています。
温度25~30度で湿度80%むろに入れて48時間掛けて作ります。
こうじ作ってる時は3~4時間ごとに見に行きます。まるで赤子ですね。はじめの24時間は部屋を加熱しますが、残りの24時間は麹の自己発熱だけで管理していきます。
こうじの役割
こうじ菌が増殖していく時に、「酵素」を蓄えていきます。お米のデンプンは糖が集まってできてます。酵素がその集まりを切っていく役割をします。酵素はハサミみたいなものです。①デンプンを糖、たんぱく質をアミノ酸へ。デンプンのままだと甘みは感じませんが、酵素の働きで糖の形になると甘みを感じます。たんぱく質もそのままでは旨みは感じませんが分解されると、旨みを感じます。
塩こうじで食材が美味しくなるのは、酵素の働きによる。食材の分解が起こるからです。
酵素が2種類
甘みを出す
アミラーゼはでんぷんを分解し糖に変えます。
旨味を出す
プロテアーゼはタンパク質をアミノ酸に変えます。
【甘酒の話】
① 酒粕と砂糖で作る甘酒と②こうじで作る甘酒2種類あるのです、知っていました?
こうじのデンプンを分解させて甘くします。甘酒はビタミンB1、B2、B3、パテント酸があり天然のビタミンドリンクです。アミノ酸たくさんの元気ドリンクです。
糀の酵素でデンプンが糖に分解されているので、体への吸収がしやすいです。
点滴と同じです。
作り方
たくさんあるのですが一番簡単なモノをを、200gの糀300CCのお湯(50℃~60℃) 魔法瓶で3時間すると出来上がり!!
長く取っておく場合は煮沸して、冷蔵庫で1週間以内に使ってください。
それか残ったモノをそのまま冷凍します。冷凍なら1カ月で使ってください。
出来上がった甘酒をとくに春すぎから常温で置いておくと、発酵してお酒になります。
空気中の酵母が甘酒に入りこんで糖をアルコールと二酸化炭素を出します。
【塩こうじの塩】
塩こうじのブームの始まりは、大分の麹屋本店の女将さんが、糀で味噌や甘酒だけじゃなく、料理に使えないかと昔の文献から発見し、数年前から料理研究家の方と作り方、レシピなどを考えていき。去年の秋ぐらいからじわじわ知れ渡るようになりました。地方のこうじ屋でもここまでのムーブメントができるのかと驚きと感動をしました。
作り方
糀200g 水200cc 塩60g
常温で1週間 一日一回混ぜて出来上がります。出来上がりの目安は、甘みが出てお米が柔らかくなります。出来上がったら冷蔵庫で半年以内に使い切ってください。
肉など2~3時間冷蔵庫で漬けておくだけで、旨みと柔らかさ全然違います。食材の10%を目安に使うと上手くいきます。
【塩の役割】
甘酒に塩入れたら塩こうじと同じでしょうか?
実は微妙に違います。
甘酒は単純に糖化させているだけですが。塩こうじは糖化しながら アルコール発酵して芳醇な香り、さらに乳酸発酵しているので酸味がプラスされます。
かなり複雑なプロセスを過ぎています。
前者は味で言うと甘い塩辛い少し旨味、後者は塩味 甘み 酸味 旨み 香りがでます。
塩がアルコール発酵、乳酸発酵を適度におさえて人がおいしいと思う弱酸性PH4~6にとどめてくれています。
味噌、醤油などの塩の役割と一緒です。
もし塩入れないとまず アルコール発酵が起こり、そのあと酢酸発酵が起こり酸っぱくなります。塩は発酵に導くための守り神です。
【まとめ】
塩こうじブームのきっかけで、糀を購入して下さるお客様が増え、実は日本中の糀屋さんが一番驚いていると思います。
塩こうじから甘酒、そして発酵食品全体へと日本人が長く育んできた伝統食品が見直されるチャンスを与えられ感謝しています。
その奥深い魅力をもっとお伝えできたらと願っています。
益子の星
スターネットへ
古い建物をうまくリノベーションしているな~と。
空気感が違う固い感じ。売ってるモノは作家さんの焼き物とオーガニックな服。
土祭(ひじさい)の企画しているのが、ここのオーナーさん
益子の町にある 写真の看板がイチイチ素敵だ。
そのあと ヒジノワへ 土祭の中で生まれた コミュニティーカフェ
展示場もあり コーヒーなど作家さんのモノで飲める。
ヒジノワも古い建物利用してうまく使ってました。
古道具屋さんがたくさんあって、それ見るだけども 十分たのしいです。
なんとなく思います
益子の焼き物=山梨のワイン
ではないでしょうか
1月21日 pm9時より「きょうの料理」に手前みそのうたでます

