さて、今回も前回の続きからやっていきたいと思います。今回がこのテーマの最終章になりますので、是非最後まで読んでいただけたら、嬉しいです!



【XのURL】

 

前回は、物視点で考えることの抽象的な話をしました。

今回は、その具体的な例から書いていきたいと思います!


例えば、デジタルカメラの市場を考えてみましょう。かつてはデジタルカメラが主流でしたが、今ではスマートフォンの普及により、その価値が低下しています。ほとんどのデジカメメーカーは、スマホに対抗するために、機能を強化したり、画質を向上させたりといった物志向の対策を取っています。しかし、それでは市場を取り戻すことは難しいでしょう、、


行動志向で考えると、スマホのカメラを使う人々の行動に着目することが重要です。例えば、スマホのカメラが好まれる理由の一つは「自撮り」などのニーズに対応しているからです。また、美容院を例に挙げると、多くの人は美容院の価値を「髪を切ること」だと考えています💇そのため、美容師になるには何年もかけて研修が行われますが、これは髪を切る技術に対して過剰に価値を置いているからです。しかし、行動志向で考えると、美容院の本当の価値は「自分を美しく見せること」や「リフレッシュすること」にあるかもしれません。美容院業界には、何十人、何百人もの美容師やオーナーがいます。MUPの受講者数は、現在約1万5000人で、もうすぐ1万6000人に達しようとしているそうです。その中にも多くの美容師や美容室のオーナーがいるでしょう。しかし、あなたが髪を切ることに価値を置き続ける限り、あなたの価値は上がりません。なぜなら、美容院に行く理由について、ホットペッパーのアンケートによれば、80%の人が「なんとなく」で美容院を変えているからです。


「なんとなく」美容院を変える理由、それは一言で言えば「差別化がない」からです。あなたが髪を切ることに価値を置いているように、他の店舗も同様に髪を切ることに価値を置いています。では、その中であなたのお店にはどんな価値があるでしょうか?他店との差別化は何でしょうか?この差別化がないからこそ、多くの人が簡単に他の美容院に移り、結果的に新規顧客を獲得するためにホットペッパーに何百万、何千万と広告費を投じなければならなくなっているのです。だからこそ、美容院の数はコンビニよりも多いのに、多くが潰れていくのです😱


【無料入学はこちら↓】


では、他店との差別化をどう考えれば良いのでしょうか?多くの人は物志向に囚われ、「価格を下げなければならない」とか「ヘッドスパや肩たたきのサービスを提供しよう」と考えがちです。しかし、美容院に行く人々の行動に目を向けてみてください。美容院に行った後、多くの人がSNSに投稿することがあります!そこで、撮影ブースを設けて、お客様の写真を撮影し、「写真をLINEで送りますよ」と言ってLINEの交換を提案するのはどうでしょうか?そうすれば、お客様は喜んでLINEを交換してくれますし、写真が残ることで、インスタグラムなどで共有され、あなたのお店の存在が広がるでしょう!


こうした施策が生まれるのは、顧客の行動を観察しているからです。美容院に行った人々の行動を見ているからこそ、新たな価値提案ができるのです。


同様に、例えば醤油について考えてみましょう。パッケージデザイン1つをとっても、デザイナーとして「醤油が売れない理由」を考える必要があります🧐日本料理に欠かせない醤油ですが、洋食文化の広がりにより、醤油の市場は厳しくなっています。これもまた物志向の考え方です。


しかし、行動志向で考えると、例えば「お肉と合うPRとは何か?」を考えることができます。お肉を食べる人はワインを飲むことが多いでしょう。そこで、パッケージを「ワイン醤油」や「ガーリック醤油」として商品開発を進めることで、新たな市場を切り開くことができるのです。こうしたアイデアが生まれるのも、顧客の行動に注目しているからです。


つまり、物志向ではなく行動志向で考えることが大切です。例えば、髪を切ることやデジカメで美しい写真を撮ることが価値だと思っている場合、その価値に代替価値が現れると、競争は激化します💦スマホのカメラでも綺麗に撮れるようになった現在、デジカメとスマホのカメラで争うことは避けるべきです。なぜなら、人々がスマホに切り替えるのは、デジカメに対して価値を感じていないからです。価値を感じていない部分に対して、どれだけ努力をしても、その努力は報われません。


既存の価値と代替価値が競い合うと、価格競争や機能の向上といった物志向の戦いに陥りがちです。これは日本人の職人気質とも呼ばれますが、それだけでは生き残れません。職人気質があるからこそ、「そんなこと求めてないんだよ」と言われてしまうことがあります。そして、そのこだわりが原因で、全く売れなくなり、利益率が低下し、最終的には倒産してしまうのです。では、映画館の例を考えてみましょう🧑‍🏫



映画館のコンサルを頼まれても、最初は皆さんがどのようにコンサルすれば良いのかわからないかもしれません。しかし、このフレームワークを使ってみてください。非常にわかりやすくなります。


映画館の価値とは映画の上映でした。これはもともと顧客の行動に基づいていました。しかし、この価値が低下し、映画を観る人が減少しています。なぜでしょうか?それは、Netflixなどのストリーミングサービスへのシフトや、スマホで30分程度の短編動画を見る人が増えているからです。


このような変化により、多くの人が2時間の映画を映画館で観ることを避けるようになっています。映画館に行くという行動が減少しているのです。Netflixの視聴者が増加した理由を掘り下げてみると、移動時間に見られる、リラックスして見られる、短編動画に慣れてきた、という点が挙げられます。


そこで、多くの人が考えることは、「映画も短編動画を制作してみたらどうだろう」とか、「新作の本数を増やしてみよう」というアイデアです。しかし、30分の動画を作るために高額な俳優を起用することや、面白い企画を作ることは非常にコストがかかり、利益率を下げるだけです。


しかし、行動に注目してみると、映画館に行く人たちが実はリラックスを求めていることがわかります。Netflixを視聴する人の行動の背景には、リラックスできることが一つのキーワードとなっています。例えば、自宅のベッドやカフェ、公園でリラックスしながら視聴することができるのです。


この「リラックス」に注目し、映画館でどのようにリラックスを提供できるかを考えるべきです。リラックスに関連するキーワードを書き出してみてください!エステサロンやラブホテル、ふかふかのベッド、心地よい香り、清潔感のある空間、カフェラテを提供するカフェ、温泉やサウナなどがリラックスを提供する場として挙げられます。



実際に、フィリピンにはベッドを設置し、個室として提供される映画館があります。これは、映画館がデートスポットとして活用されているためであり、映画そのものが提供されているわけではありません🛏️映画館に行く行動の背景には、映画を観ることではなく、恋人とのデートという目的があるのです。そこで、ラブホテルのようにデートに特化した映画館や、エステサロンのようにマッサージを受けながら映画を観る映画館も考えられます。


みんながリラックスして映画を観たいと考えているなら、映画館もそのようなリラックスした環境を提供するべきです。匂いや清潔感を重視し、カフェラテを提供する映画館や、温泉やサウナを併設した映画館など、コンセプトに基づいた映画館があっても良いでしょう。そうすると、映画館は映画市場ではなく、リラックス市場における競合になるわけです。だからこそ、映画の1200円や1300円の単価ではなく、単価を8000円にしてもいいのです!ラブホテルだって8000円ほど払いますよね。これでいいわけです。リラックス市場と同じようになるのです。


このように、単価を上げることができ、生き延びるための新しい売り上げ要素が生まれるのです。これが、物志向ではなく、お客様がなぜ自分を選ばなかったのか、何が障壁になっているのかを理解するということです。ここで言う「障壁」とは、行動に基づいた要因です。



このように、顧客の行動をしっかりと理解することが大切です。これが今回のセッションのまとめです。顧客への施策を考える際、現在のお店に来ている人々に対して施策を打つのではなく、その商品の価値や自社商品の価値を高めることを一度破壊してください。さもなければ、新しいアイデアは生まれません💦


物事を破壊し、再び創造することをデザインと呼びます。今の時代、物での競争はもう通用しません。昔であれば、ヨドバシカメラやビックカメラにカメラを置けば売れていた時代がありましたが、今では中国製や台湾製の安価なカメラが出回り、置けば売れるという時代ではなくなっているのです。そのため、従来のアプローチは無意味です。そこで、「VOTフレームワーク」を活用して価値の創造を行うのです!

ここで本セッションのまとめに入らせていただきます。今回の内容が学びになったと思った方は、ぜひ「いいね」をお願いします🙇(励みになります)

まず、固定概念を捨ててください。カフェの経営者やプライベートジムの運営者であっても、プライベートジムに来る人々の行動を観察してみてください。アプリをダウンロードする人々の行動や、そこに潜む障壁に目を向けるのです。顧客の行動だけでなく、非顧客の行動を見ることが重要です。


このように進めていくといいと思います✨


最後までご覧いただき、ありがとうございました!