さようなら。 | ゴミ

さようなら。

あの頃、僕らは少年だった。

午前中に降った雨はくぼみに水たまりを作り、
平らな場所では太陽に蒸発されアスファルトは、
焼けるにおいを乗せた湯気を放っていた。

僕らはナイロン製の財布に小銭を入れて
ただひたすらに何かを追いかけ、追いかけられて走りまわっていた。

ボールだったり
泥棒だったり
警察だったり
ジャンケンに勝った者だったり
ジャンケンに負けた者だったり
綺麗な羽の蝶々だったり
強そうな昆虫だったり
鳩や猫や犬だったり


青年になった僕らといえば、

時間やお金、
他人に恋人、
仕事に学校、
家事や退屈、

ただひたすらに、
そしてなにかしらに追いかけられ、
追いかけて走りまわっている。

叶わない夢や
逃したチャンス
淡い現実と
リアルな嘘


蝶々が全て綺麗だとは限らない。
時には蛾をも捕まえないと大人になれないと僕たちは気づき、
再び雨が降り始めた。