きょう放送していた、NHKの連ドラ。

モデルが古関裕而なのは、当たり前のように知られているし、それは別にいいんだけど。

ドラマ中で、非常によく知られている《ペチカ》が歌われるシーンで、80%くらい驚いた。

残り20%?

いや、そのくらいは知らない人もいるから。

何に驚いたかと言えば、最初の一行を、

> 雪の降る夜は 楽しい「ペチカ」

と歌っていたこと。

それのどこがおかしいの?
という人もいるでしょう。

それは「ペチカ」という発音。

実際、自分も(たしか)小学校の音楽の授業では、そう教科書に書いてあったし、そう習った。

だから、ある意味、知らない方が普通なのかもしれないし、小学生にまで要求はしない。
厳し過ぎるから。

しかし、この曲を書いた山田耕作の自筆譜には(タイトルは別として)、「曲中で歌われる『ペチカ』は『ペェィーチカ』と発音するように」と、きちんと指示してある。

実際に、クラシックの声楽家はもちろん、いわゆる「歌謡曲」のように、ポピュラー音楽の歌手して括られる、由紀さおりさんをはじめ、きちんと「日本語の歌」を歌っていらっしゃる歌手の方々は、きちんと「ペェィーチカ」と歌っています。

意外に思う人もいるでしょうが、さだまさしさんも(別にファンは望んでないんだけど)、そのような「日本語の歌」(《この道》とか《ちいさい秋みつけた》とか)を集めたアルバムを制作していて、それに収録されている《ペチカ》も、きちんと「ペェィーチカ」と歌ってます。

ここで、どうしても解せないのは、BS日テレで放送している「BS日本・こころの歌」という番組で、全ての歌を歌っているのが、全員、音大の声楽科出身の「FORESTA」という、少数精鋭なコンパクトな「プロの」合唱グループなのだけど、そういう「日本語の歌のプロ」たちが、番組で
《ペチカ》を歌った時に、聴いていて耳を疑うかのように、平気で「ペチカ」と歌っていて、悪い意味で非常にインパクトがあったのだけど、それは置いておくとして。


このNHKの連ドラは、実在の古関裕而をモデルにしていて、古関裕而と同世代の(日本の)作曲家であれば、多かれ少なかれ、山田耕作と無関係という人はいないです。

そういう番組で《ペチカ》が歌われる時に、「ペェィーチカ」でなく、平気で「ペチカ」と歌っているのは、どう考えてもあり得ず、明らかなミスか、悪く言えば制作側が無知すぎる。

「日本語の歌」を舐めるな。