「ミュージック・モア」(TOKYO MX)のゲストは、アニソンの女王、堀江美都子さん。MCはクリス松村。

堀江さんは、アニソン歌手として、50周年!

それでいながら、番組冒頭で《あくび娘の歌(タイトルうろ覚え)》~《ひみつのアッコちゃん》~《キャンディ・キャンディ》のメドレーを歌っているのを聴いていて、全く違和感が無い。単に声が若々しいだけでは、ちょっと説明がつかない何らかの秘訣がある…はずだ、と思いながら観ていたが、やはりあるんだ。

いろいろ興味ある話もあったけど、一番印象に残ったというか「よくぞ言ってくれた!」と思ったのは、

「アニメソングは、その当時のまま歌うことが技術だと思うんです」

MC「仰る通り」

「歳をとれば、それだけ技術も巧みになるし、変えようと思えば、いくらでも変えられるんだけど、それを敢えて削ぎ落として、変えずにいるということを、みんな(アニソン歌手)で暗黙のうちに守りながら、新鮮にいつも歌おうねと…」

…という話。

アニソンと、普通(というと語弊があるが)の歌謡曲、フォーク、今は言わないがニューミュージックとは違う。比較しても無意味という人もいるとは思うが、敢えてする。

それら、アニソンではないジャンルの全盛期の頃のヒット曲を、ずっと今でも歌い続けている歌手は多い。それは別に悪いことではないし、珍しくもない。

しかし、大雑把だが、2つに分けると、オリジナルの歌い方の基本はほとんど変えない人と、基本を単に表面的に崩して変えてる人がいる。

もちろん、堀江さんも言ってるように、経験を積んだ分だけ技術的に巧くなってるのだから、変わっていくのは当たり前なんだけど、それがより上手に変わるのでなく、逆に、わざとらしく不自然に崩した下手な歌い方になっていく歌手が少なからずいる。

それを「やっと、自分なりの節回しで歌えるようになった」と肯定してる歌手、あるいはそういう歌手への誉め言葉として言う人も、単にメチャクチャにしてるだけのことを「個性が出せた」と、本質的な部分で勘違いしてることに気がつかない。

いや「その歌い方は、ものすごくわざとらしく不自然だから、やめた方がいいのに」と感じる歌手が多いなあ、という単なる個人的な愚痴です。

P.S.
布施明の《シクラメンのかほり》の崩しかたは最悪。昔から、作者の小椋佳自身も歌ってるけど、あんな崩したりはしていない。