毎年、クリスマスシーズンになると、やたら見かける文字列。

それは「Xmas」。

こう表記されていれば、全く問題無い。

意味は、もちろん「クリスマス」。


けれども、正確に数えたわけじゃないので断言は出来ないけれど、昔と比べてかなり減ったという気はするけど、いまだに

「X'mas」

と書かれているのを見かける。

しかし、これは全くの間違い。

別に間違っていても、それで僕が何か困るわけでもないので、どうでもいいといえば、どうでもいい。

だけど、目にしてしまうと、どうも居心地が悪いというか、まあ、気になってしまう。


何が間違いなのか、具体的に挙げれば、

キリスト教の解釈では、「X」は、その一文字自体がキリストの象徴である。「X」の字形が十字架を想起させるからだろう。

つまり、決して「何らかの単語の省略形」ではない。

「Xmas」は、それだけで「キリストのmas(=ミサ)」という意味を持つ語として完成しており、省略記号の「'」を付ける必要は無い。

というか「付けてはいけない」。


なのに、付けてる人がけっこう多いんだよなあ…。

そんなの他人事なんだから無視すればいいのだけど、見てしまうと気になる…
(-.-;)


蛇足ながら「キリストの(ための)ミサ」と書いたように、元々はカトリックのミサ(=礼拝)のうち、特にイエス・キリストの「降誕のためのミサ」を意味する言葉だったのが、拡散するうちに言葉が一般化して、ミサ当日を含む、(教会暦で定めている)降誕節全体を指す言葉に変化して、現代のように広い意味で使われるようになった。

ちなみに「キリスト」は人名ではなく、「救世主」を意味するギリシャ語で、元々は(たしか)ヘブライ語の「メシア」、その英語読みが「ハレルヤ」の合唱で超有名(逆に言えば、この曲「だけ」が有名)なヘンデルの曲名としても知られる「メサイア」、そのラテン語が「クリストス」で、これらは結局のところ全て意味は同じ。他に英語では「メサイア」でなく、ラテン語の「クリストス」が変化した「クライスト」とも言う。というか、こちらの方が一般的だと思う。

だから、クリスマスの「クリス」は、ラテン語が由来。

で、特にキリスト個人を指す場合に、人名の「イエス」と呼ぶが、これが英語だと「ジーサス」で、わけわからん状態になる。