土曜日(12月8日)に放送された「おんがく交差点」(BSテレ東)。

MCは春風亭小朝、サポートとしてヴァイオリニストの大谷康子。それにゲストを呼ぶ、というのが基本構成。

今回のゲストは、ハンドベル奏者の大坪泰子(たいこ)。

紹介前に、小朝が「個性のものすごく強い方が今日のお客様でして」と前置きしたように、雰囲気からして一風変わった印象。

見た目には特に奇抜さは無いのだけど、テレビに映っているという事に対する、いわゆる「媚び」が全く無い。見ようによっては、まるで人を見下したような冷たい表情を、少しも変えないし、ニコリとさえしない。良く言えば実直だが、悪く言えば尊大、威圧的。

まあ、それは今回は関係無いからいい。


それより、ハンドベル音楽について、小朝がそのゲストのすぐ隣ではないにしろ、

「ハンドベルというのは、ブツブツブツブツ切れるじゃないですか。それで音楽になってないというか。それが大嫌いなんですよ」

と言ったことが、どうにも引っ掛かる。

ただし、その発言は、ゲストが海外でのハンドベルのイベントに出演(演奏)した時に、他の出演者から「我々がやっているのはハンドベルだが、あなたのはミュージックだ」と言われた、という話を受けて、小朝が「(その言葉を)それは凄いこと」だと言ったあとに、続けて言ったことなので、ゲストに対する「誉め言葉」だと解釈することは不可能では無いにしろ、かなり無理がある。

どう聞いても、ハンドベル音楽について、個人的な好き嫌いのレベルで「音楽になってない」「大嫌い」と、ある意味、本音をぶちまけただけで、そこに「批評的な視点や考え」は全く感じられなかった。

もちろん、個人的な好き嫌いは自由だ。小朝がハンドベル音楽を大嫌いでも、誰も困らない。

しかし、テレビ放送で、司会者という立場で、全てのハンドベル音楽(演奏団体)が「ブツブツ切れて音楽になってない」という客観的な証拠も、理論的根拠もなく、一括りに「大嫌い」と言いきるのは、言い過ぎというのとも違う、何か大間違いがあるように思えてならない。

日本中に、真面目に熱心にハンドベル音楽をやっている人たちが多くいるのに、それはちょっと違うんじゃないか?

ちなみに、それに対してゲストは「それは音(音符)を点として捉えているから」と、原因を見抜いて即答した。