今週の「恋するクラシック」(BS日テレ)で、ピアニストの小林愛実が、ショパンの《夜想曲 第20番》cis-moll「遺作」と題された曲を演奏してるのを見ながら思ったんだけど、この「遺作」って誤解している、あるいは知らないっていう人、かなりいるんだろうな。

まあ、これは以前から思ってたことであるんだけど、ふと思い出した。

タイトルに「遺作」って入ってたら、大抵の人は「ショパンが死の間際に書いた、最期の曲」と思うんじゃないかな。

でもそれは、ショパンに関しては誤解。

ショパンは、自作が出版された時に「作品番号」を付けていた。

なので、死後に出版された曲には作品番号が無い。

でも、それだと分類や研究したりするのに、区別が付きにくく不便だから、後世の研究者らが「死後に出版された、あるいは未出版の作品」、つまり作品番号の無い曲について、便宜的に全部「遺作」とした。

だから、ショパンをよく聴く人なら、事情を知ってるか知らないかはともかく、タイトルに「遺作」と入ってる曲がたくさんあるのに気づいているはず。

まあ「遺作」ってタイトルを見たら、先入観として「これは、ショパンの絶筆なのか」と、つい厳粛な気分で聴いてしまうと思うけど、ショパンに関する限り、それって全く意味の無い思い込みにすぎない。

要は、ショパンの「遺作」は、実際の死期とは無関係だよってこと。