夏の免許合宿、男女複数夏物語3
三日目の朝、寝不足も関係なしの教官の声
河崎ちゃ~ん、おっはよう!
教習所内を何週かしながら教官に昨日おとといのことを話す。
教官は大笑いしながら聞いていた。
この仕事じゃ、生徒のそういった話しか楽しみがないのかもしれない。
昼になりいつものように喫煙所で良輔を待つ。
しばらくすると全員がそろった。というか、「全員」が増えている。
この三日間で仲良くなったのはほかにもいた。
良輔、しほ、なぎさの他に立教のテニス部の男女11人と、その他大勢。
俺らを中心に大勢力となった感じだ。
良輔にこっそり昨日のことを聞いてみた。
そう、俺がボックスを出てった後の話だ。
すると良輔は
いやぁなんもなかったすっよ。
酒に酔った二人が田舎の山奥の個室で一晩過ごして何もないわけがない。
しかもあの雰囲気で俺にはわかりきっていたが、そっか。とだけ言い残してその話はやめた。
そのときの顔は意識的に疑いの顔はしたが。
その晩はみんなで大騒ぎ。
というわけにはいかなかった。
ボックスは6、7人で満杯なので二つあるボックスに別々に入った。
三日目はそんな感じで楽しく過ごし、四日、五日と時は過ぎていった。
そして六日目。
明日は先に入校したちほとなぎさが卒免の試験で、それに合格すればもう二人は帰ってしまう。
なぎさに確認する。
お前らが二人になりたいなら俺はみんなと別にどっかにいるけど?
そんな関係じゃないから!
なぎさはそう言って今夜もみんなと遊ぼうと言った。
だがみんなは集まらなかった。みんなが気をきかしたのか、分からないが。
俺らは四人で夜の散歩に行った。
俺は良輔となぎさが二人きりになれるようにしほを呼び出した。
必然的に二人きりになった俺としほ。
しほが確認してきた。
あたしらこれからどうする?これからって、東京帰ってからのこと。
俺の答えは決まっていた。
この関係は続けるつもりはない。
俺もちほも家がそう遠くないのでいつでも会えるのだが、恋愛としてはその気になれなかった。
少なくとも俺は。
さっきの俺の言葉にすっきりしたようにちほが言った。
じゃあ最後にえっちしにいこ。
俺らは最初から割り切った関係としてこの一週間を過ごした。
だが良輔たちはどうなのだろうか。
良輔は千葉、なぎさは新潟。
いくら日本が狭いといえど、遠距離になってしまう。それに俺と良輔はまだ半分以上合宿期間が残っている。
この三日間の彼らの様子を見て、彼らが本気というのを確信していた俺はそっちのほうが心配だった。
暗闇の森の木々の音に混ざり聞こえてくる、微かに聞こえる彼らの泣き声が
何を意味しているのか。
俺はしほに手を引っ張られながら誰もいなくなったカラオケボックスへ向かった。
づづく。