彼女と風俗とアルバイトの話


ミヤ「ねえねえ!このバイトどう思う?」



僕の彼女は危機回避能力がすごく低い。

自分に対して悪意が迫っていてもそれをまったく感じ取れない。

だけどなぜかギリギリで回避できる能力の持ち主でもある。





前回のブログで職探しについて少し触れたけど、今回はそのときの話。




彼女はスマホでバイトを検索中。

条件①時間の融通が利いて

条件②障がい者でも働けて

条件③短時間である程度時給のいい

仕事を考えたところ、「メイドさん」をやりたい!

となった。



ミヤ「こう見えて学生の頃は人気メイドだったんだよ!まだいけるっしょ!」


ミヤの年は20代の半ばくらいだが、確かに童顔で、背も小さくて、アニメ声。

そしてオタクである。


僕「んー確かにピッタリかもね!」

ミヤ「でしょ!で、このバイトどう思う?」



彼女が見せてきたのはバイト情報のサイト。

そこには「新店舗オープンスタッフ!メイド募集!」の文字

そして

勤務時間:自由

体験入店:時給5000円

と、まあ条件にぴったりな募集が書いてありました。


僕「うーん、確かに条件はいい感じだけど・・・」

ミヤ「前に働いてたお店もこんな感じだったよ!
それにオープンスタッフだから新しく友達も作りやすいかもじゃん!」


僕「まあ確かにね。とりあえず体験入店だけしてみれば?」

ミヤ「うん!もう申し込んだ!」

僕(申し込み済みかい!)




そしてそんなこんなで面接当日。




僕は別件の用事があり都内に出かけていた。

彼女の面接の場所も都内とのことで、終わったら一緒に帰ろうと約束していた。


そして待ち合わせ場所にいくと死にそうな顔したミヤが立っていた。



ミヤ「よーちゃん・・・」

僕「え、どうしたの?」

無言で抱き着いてくるミヤ

僕「バイト落ちちゃった?」

ミヤ(フリフリ)首を横に振る

僕「体験入店で失敗しちゃった?」

ミヤ(フリフリ)また首を横に振る

そしてぽつりとつぶやいた。

ミヤ「今日のお店ね、ちゃんとしたお店じゃなかった・・・」





以下、彼女から聞いた話。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




駅についたらね、お店の人が迎えにきてくれたの


それで喫茶店に入って面接したの。


アニメとかコスプレが好きで、それを活かせる仕事をしたいって頑張ってアピールしたよ。


でもね、相手の人が


「実はもうメイドさん結構足りているんだよね」


「ミヤさんは確かにかわいいけど年齢的にメイドカフェよりも他の業種のほうがいいんじゃないかな?」


「それにミヤさん童顔なのに、母性もあるし、絶対風俗嬢になったらすぐ人気No1になるよ」


って。


そんな風に話を聞いてたら、私も風俗のほうが向いてるんじゃないかって気がしてきちゃったの。






でもその相手の人がトイレにいったとき、隣の席の人が話しかけてきて


「ちゃんと自分を守らなきゃだめだよ、ここ僕の行きつけのちゃんとしたお店だから」って言ってコスプレバーのポイントカードをくれたの。


そのカードをみてたらよーちゃんの顔が浮かんできて、逃げてきたの。


あのままお店にいたらどうなってたんだろうって冷静になったらすごく怖かった。





〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜以上。


ひとまずぼくは彼女が風俗嬢にならなかったことに一安心。

彼女を思いっきり抱きしめて、泣いてる彼女を慰めながら家に帰りました。




そんな漫画の中のようなことが実際に身近に起きるのか・・・と驚いた一件でした。


後日、助けてくれた男性から頂いたポイントカードのお店に行き、ちゃんとお礼を伝えました。

ただこの件で、東京で働くのはやめようということになり、

僕の家の近くにあったメイドリフレのお店で無事に働けることになりましたとさ。