時間的余裕が少ないにも関わらず大休憩をした我々。
お風呂と僅かな仮眠をして再出発をしますが、ここから私にとって長く辛い時間となるのでした…。
※ここから夜間走行&様々な理由で写真がほとんどありません。
〇簗場~PC4(337.8km)
簗場にある宿からPC4までは約25km。
僅かに余裕をもって出発する予定でしたが、準備になんやかんや時間がかかってほぼオンタイムに。これはまずい。
簗場から稲尾駅前までは下りなのでとにかく急ぎます。途中に海ノ口駅などの某アニメの聖地もありますが、寄っている暇など無い!
稲尾駅前からK393で山の中へ。上りなうえに真っ暗で、下手したら野生動物とこんにちはしそうな雰囲気。ベルを定期的に鳴らしてこちらの存在をアピールしながら走り、K31へ入ります。
それにしても、K393もK31も思っていた以上に上ります。いくら15km/hで走ればよいとはいえ、こうも上りが続くとそれすら維持するのがキツい。
(実際は併せて5km弱しかないのですが、この時はとても長く感じたのでした。)
ここにきて、タイムアウトがとても現実味を帯びてきました。
これまでにこんなに時間が危うくなったことがなく、どんどん気持ちが焦っていきます。
300km以上も走ってきたのに。休憩したせいでタイムアウトなんて…。
挫けそうになりながらも、とにかく足掻こうと必死にペダルを踏みます。
もう身体の痛みなんてどうでもいいから、少しでも速く、少しでも先へ。
すると、ルートを表示しているetrexの画面に、上りのピーク地点のマークが現れました。そこまで行けば上りは終わり、転じて下りになるはず。そこまでの辛抱だ!
そして、上りのピークにその看板は現れました。
「この先4km長い下り坂 最大9%」
キターーーーーーーーーーーー!!!
ただの下りではなく“長い”下り!ここで一気に巻き返す!
下りは私の唯一の得意分野なので、安全に下れる最高の速度で一気に下ります。K31は道幅もあり路面状態も良好、そして自動車の通行がまったく無かったので、危なげなく下ることができます。ライトはもちろんMAXパワー!!
さらに、4km先の青貝交差点からPC4までも下り基調だったため、より時間を稼ぐことができました。
なだれ込むようにPC4セブンイレブン信州中条村店に到着。最終的にタイムアウト30分前にPCに着くことができました。どんだけ下りで稼いだんだ。
ここで、スタッフさんとおしゃべり。そしてここで、重大な判断ミスをしたことに気づきます。
簗場で大休止をしたらタイムアウトしそうになった旨を話すと、
「この先で仮眠することを想定して、ここから次のPCまでの距離を長くしたんだけども…。」
……あ、なるほど。やっちまったなコレ。
“PC直前で休憩をしてしまうと、残り距離が短いために時間の巻き返しが難しい”
すなわち、マージンがあまり無いにも関わらず簗場で大休止をした我々の行動は、時間が危なくなるうえにほとんど寝ることができないという、とんでもない悪手だったのです。
普通に考えればわかることなのに、とにかく休めることに舞い上がっていてそんなことにすら気づいていなかった。ああ、おバカ…。
ですが、スタッフさんから「ここまで着けばもうゴールしたようなもの」と言われてテンションアップ!(単純)
通過チェックでもらったにらせんべいをゆっくりと堪能し、軽やかな気持ちでPC4を出発したのでした。
〇PC4~PC5(483.9km)
ここが本ブルベ最長区間となる約145km。この区間で長野・小諸・佐久といった街の市街地を走るので、確かに一番仮眠の取りやすい区間です。主催者の優しさガン無視しちゃったよ。
PC4のコンビニ裏手の激坂を上り、もう一本のK31へ。
PCでしっかり休憩したのでマージンはおよそ15分まで減っていましたが、ある程度完走の目途がたったのでそこまで焦ってはいません。むしろ、少しテンション高めでした。
出発後はしばらく下り基調。順調にマージンを回復します。
しかし、ここで同行者がパンク。修理のために停止を余儀なくされます。
暗い夜のパンク修理に時間を要してしまい、ここでついにマージンはゼロになってしまいました。
次のPCまではまだ100km以上あり、ここでオンタイムなってしまってもまだまだ余裕で挽回できます。
ですが、こんなにも時間的余裕が無いのは初めての経験で、徐々に焦りが出てきました。
そして、追い打ちをかけるようにどんどん力が出なくなっていきます。
千曲市内を抜けると細かなアップダウンが続くのですが、ちょっとした上りでも同行者に付いていけなくなります。
上りで遅れ、それに気付いた同行者がペースを落とし、無理して踏んで追いつく。…これの繰り返し。
辛い…ただただ辛い。
余裕の無い焦り、間に合わないかもという弱気、現在の状況への疑問、同行者たちへの申し訳なさ、思い通りに進めない苛立ち。
様々な感情がどんどん溢れてきて気持ちはぐちゃぐちゃ。もうイヤ。
20km/hで走っていればとりあえずは間に合う。
ただ、それだと休憩などしている暇は無くなる。同行者たちはどこかで仮眠を取るつもりでいるけど、このペースで行ったらそんな時間は取れない。それでは申し訳なさすぎる。
そして何より、しばらく一人になりたかった。
「このままだと迷惑をかけるから先に行って下さい」と同行者に伝えるも、
「ここまで一緒に走ってきたんだから」と優しいお言葉。
ですが、そんな優しさすら神経を逆撫でしてしまうほど、当時の私の心はささくれ立っていたのでした。
人として最低…。
本当にもう着いていくことができない旨を伝え、上りで同行者たちとの差がついても頑張るのをやめました。
どんどん、テールライトの灯りが小さくなっていきます。同行者たちも気持ちを察してくれたのか、これ以上待つことはありません。
真っ暗な夜。完全に一人になりました。
これで誰にも迷惑をかけなくて済むと思うと気が楽になってきます。
ドリンク調達のために自販機前でストップ。ついでに少しゆっくりして、気持ちを落ち着かせます。
よし、行ける。今のペースなら間に合うはず。急がなくていい。
アミノバイタルを摂取して再出発。気持ちは、これまでのことが嘘のように軽くなっていました。
暫く走っていると、川を渡って大きく左カーブ。カーブの終わりにあるハッピードリンクショップの先に、不穏な坂道が。
ブリーフィングで注意のあった、小諸手前の激坂とはあれのことか…。
立ちゴケ注意とまで言われるだけあって、遠くからでもキツそうな雰囲気がひしひしと伝わってきます。それにスタッフさんから聞いた話では、ここからは見えない交差点の手前が一番ヤバいらしい。あー上るの怖い。
とりあえず、立ちゴケだけには最新の注意をして上り始めます。いざ!
うん、きつい!!わかってたけど!!
道を左にカーブすると住宅街が見てきました(上り中)。まだ交差点は見えません。
住宅街の中を今度は右カーブ(上り中)。まだ見えない。
更に進んでもう一度右カーブ(上り中)。まだなの…。
そしてついに左にカーブした瞬間…交差点あった!そして斜度がすごいことに!!しかも交差点の先まだ上ってるじゃん!!ここで終わりじゃないんかい!!!
なんとか足着きと立ちゴケはせずに坂道をクリアしました。ありがとう、直前に導入したリア32T。君がいなければ足着いていたかもしれない。
小諸を抜けて佐久でR254へ入ったら、このブルベ最後の上り「内山峠」へ。
斜度自体はそこまでキツくもないのですが、なんだかとても長く感じます。
ここで5〜6人の参加者を追い抜きました。やっと時間的な余裕ができてきたと実感し、心なしかペダルも軽く…
なりません。峠も後半になり、斜度キツめの長い直登が続きます。なぜ直登にしたし。ついつい愚痴が漏れますが、愚痴が言えるぐらいは元気になってきていたのでしょう。
ドライブインの駐車場が見えたら上りもお終い。視線の先には、内山トンネルが待ち構えています。
防寒対策のレインウェアを着込んだら、トンネルへ突入。ここから約20kmもの長い下りです。
ああぁぁぁー!!楽だあぁぁぁー!!
これまでの苦労が全て報われるような超下り。ペダルを漕がなくてもどんどんスピードが乗っていきます。
山を抜けて集落に入っても、まだまだ下りは終わりません。
するとここで、突然の眠気に襲われました。
少しでも「眠い」と思ったらすぐに寝ることが大事です。道路脇にバス停のベンチがあったので、まだ運行時間でないことを確認して10分ほど横になりました。
仮眠をしたら頭もスッキリしたので再出発。まだまだ下りは終わりません。
しばらく走っていると、道路の反対側の建物からコース復帰しようとしている参加者が。
なんと、先行した同行者たちではないですか!追いついた!どうやら寒さと眠気でコーヒーブレイクを取っていたようです。
この時、私の走り方は間違っていなかったんだと思えました。
私は速く走ることはできないけど、長く走り続けることはできる。
少ない休憩で淡々と走り続ける。それが今の私の正解なのでしょう。
これで完全に気持ちを持ち直しました。
しかし、テンションが上がったのも束の間、今度は急に肌寒さを感じ始めました。そして手足の指に力が入りません。ああ、お腹すいた。
たまらずイートインのあるコンビニへ。一緒に同行者たちもピットイン。なかなか眠気が晴れないらしい。
朝食はガッツリとカツカレー。併せてモンスターエナジーでカフェインも摂取。ちなみに、どんなに疲れていてもしっかり食べれる派です。
食事が終わったら仮眠していた同行者たちを起こし、彼らより先に出発します。私は彼らより遅い分、休憩は短め。これが双方にとってちょうど良いペース。もう、お互いに無理に合わせたりはしません。
案の定、PCの手前で追いつかれ、一緒にPC5ローソン藤岡上落合店へ到着したのでした。
○PC5〜PC6(552.7km)
PCでウェアを日中装備に着替え、サクッと出発。
しばらく同行者たちと走りますが、伊勢崎に入ったあたりで眠気のために同行者たちが休憩離脱。ここでも、一人先に行かせてもらいます。
伊勢崎市境から10km以上続く直線へ。
この辺りから向い風を強く感じるようになり、R354に入る頃には強風に。さらに板倉町に入ると風を遮るものが無くなって暴風へとランクアップ。す、進まない…。
【茨城に帰ってきた…けどそれどころではない】
ひーこら言いながら最後のPC6セブンイレブン古河原町店に到着。
えっと、この区間何も印象残ってない。
○PC6〜ゴール(603.6km)
PCで休憩をしながら同行者たちを待ちますが、一向に来る気配がありません。そもそも、PC6に着く前に追いつかれると思っていたのに。ここまで遅いと気になります。
何かトラブルでもあったのか…と思っていると同行者たちも到着。離脱したコンビニで長めの休憩を取っていたようです。トラブルじゃなくて一安心。
二人の無事を確認したのでPCを出発。
出発してすぐ、向い風が超強くなってる!
ゴールまではずっと東進。すなわち、ゴールまでずっとこの向い風の中走らなくてはいけません。最後にこれかい…。
途中、けん坊さんと一緒になり、しばらく付かず離れずのペースで走ります。
それにしても、とてつもない向い風と微妙なアップダウン、そしてここまで走ってきた疲れで20km/h出すのが精一杯。
いつものブルベだったら"あと少しでゴールだ!"とか"もう少しで終わっちゃうなぁ"とか思うんですが、この時ばかりは"さっさと終われ‼︎"とばかり思ってました。
気付いたらけん坊さんいないし。
K56をひたすら東進してつくば市に突入。
ここから先はよく知っている道なので、もはやウイニングラン…の予定だったんですけどね。強すぎるんだよ風が…。
教育研修センター北交差点で追いついてきたけん坊さんと再会。どうやら同行者たちとも会ったらしく、彼らももうすぐ来るとのとの情報を教えてくださると、颯爽と先に消えていきました。
K128に乗り換えて更に進むとつくばと土浦の市境へ。
そこに広がるは広大な田畑!遮るものが無くなり吹き付ける超暴風!もちろん向い風!
ラスト10kmでこの日の最大風速(体感)に見舞われ、これまでの感慨もへったくれもありません。なんだかなぁもう。
歯を食いしばりながら暴風の中を突き進み、イオンタウン土浦の裏を通ってK123に入ったらゴールは目の前。
下高津一丁目交差点から裏道に入り、ゴールのサイクルショップflameに到着です!
【ゴールは多くの参加者で賑わっていました。写ってないけど】
と、まだ終わりではありません。
このブルベは、ゴール地点のサイクルショップで買い物をして正式なフィニッシュとなるので、買い物を済ませてから受付へ。
これで無事に認定となり、最終的に約39時間での完走となりました。
その後、同行者たちもゴール。
道中色々ありましたが、全員無事に完走することができました。
○走り終わって
今回のブルベは楽しかったのはもちろんですが、走り方や休み方など何かと考えることが多く、得るものが多いブルベとなりました。
次は備忘録として、感想や思ったことなどをまとめます。
ちなみに、ゴール後は霞ヶ浦湖畔の「霞浦の湯」で入浴。お風呂から上がったら、あっという間に休憩スペースで爆睡したのでした。
どうもお疲れ様でした。

