いつの間にか
夏真っ只中になりましたが
クーラーのない生活に
体がすっかり馴れたのか
それとも
今年はやっぱり冷夏だったのか
例年より
過ごしやすい気がします
いつもの夏なら
夜になっても汗だくで
本なぞ読もうもんなら
どこそこふやけてしまったのに
今年は
すっかり読書の夏になってます
『実験的経験』 森博嗣
何とも不思議で
小説とも
エッセイとも
ショートショートとも
言いようのない本です
理系ミステリの作家らしいのかな
何とも言えず面白い
「地の文にカッコをつけて」
「すると、ジブン男なる人物を使って、他人の行動を実況するように
すべて会話で構成してみたり」
」こんな風にカッコを逆にしてみたり「
作家と編集者の会話をメインに
ミステリテイストな物語を展開しながら
駄洒落をふんだんに盛り込み
創作について語っている
ラストに
どんな突飛な創作よりも、人間の思考、そして感覚はさらにはるかに突飛です。文字にすること、言葉にすることで、既に大半の発想は失われ、輝きは鈍化します。皆さんが読まされているのは、死んだ発想なのです。創作者は、発想を殺して、文字にするのですから。
しかし、生きていたときの輝きを、どうか思い描いて下さい。……
と綴っているのが
とても印象的でした
作家としての葛藤を
ミステリ作家らしく
創作物に仕立てた一冊でした