メンタルヘルスケアを導入しているとしている事業場ですら、
本来の予防には至っておらず、
二次予防・三次予防の部分に関してのみで、
それもきちんと機能しているところはさほど多くないのが現状です。
一次予防:健康増進、不適応防止/適応促進、病気予防
二次予防:早期発見、早期治療
三次予防:復帰支援、再発予防
これには日本特有の要因が考えられます。
一つには、心の病気に関する偏見です。心の病気にかかるのは一部の「弱い」特定の人だけであり、自分は関係ないという感覚が根強く、誰もが陥る可能性がある身近な問題であることはまださほど認識されていません。
また、本来の業務効率を超えた長時間労働の美徳化、個人より組織を偏重する傾向などは、組織によっては未だ当たり前に残っている文化であり、暗に評価に影響していたり、福利厚生に対する予算が後回しにされるなどの形で大きく影響しています。
実際に現場では、外部の専門機関に任せきりで、トップ・人事労務部門・従業員それぞれの当事者意識が薄く、メンタルヘルス対策といって導入時に大々的に始めたとしても組織文化を反映した対策が練り込まれていなかったり、担当者の変更等で機能を維持できないといったことがよく見られます。
しかし、職場環境に問題がある場合(多くが当てはまります)、病気になってしまった人をケアしていくだけでは限界があり、休職者・退職者の数を減少させることはできず、むしろ問題が波及して増加させてしまうことにつながります。
根本的な問題解決のためには、全従業員を対象にした一次予防が必要なのです。