その日はあータンの
オネショから1日が始まった。
大人ベッドで寝かせていたのだが
夜中、私がオムツ替えを
1回省略させてしまったがために
朝方、パンパンになっていたオムツは
あータンのオチッコを包み込む余裕がなくなり
オムツ 「あたし、もぉムリっ!」と、
ベッドにオチッコ吸収を託したわけだ。
いやはや、私が悪いのだが
やはり・・・・
少しメリーズを恨んだ。
少し肌寒かったが、天気が良く、
あータンの御機嫌も麗しかったので
バスに乗って区役所に行った。
私が医療費の申請手続きをしている間中
お利口タンにしていたあータンだったが
区役所のお姉さんたちにあやされている最中に
どうやらウンコチャンをしてしまったようだ。
春の訪れを思わせるような甘酸っぱい香りが
私の鼻先をくすぐった。
外出すると必ず便意をもよおす愛娘。
本屋に行くと必ず便意をもよおす母に似たのか。
ダッコ紐を全部とってしまうのが面倒だったので
要所要所だけはずし、あータンの下にひいたままオムツ替え。
少し時間が経ちすぎていたようで
ウンコチャンたちがあータンとの別れを惜しむように
オチリにへばりついている。
動き回るあータンを押さえつけながら
オチリを拭きながら
あータン、いま足食べないで!と言いながら
多目的トイレでウンコチャンたち(あータンを含む)と格闘。
「はいっ、キレイになぁ~った☆
ウンコチャンしてお利口タンだったね~
ハイ、キレイなオムチュはこうね~」
あータンは相変わらず足をバッタバタしている。
危ない。
このままではウンコチャンたちが付着したオムツに
足がダイブしてきそうだ。
これは先にウンコチャンオムツを片付けなければ。
咄嗟の判断だった。
私は汚れたオムツをクルクル巻いた。
急げ 急げー。
オムツをゴミ箱に捨てようとした瞬間、
視界の端に何やら小さな噴水が見えた。
ショーーーーーーーーーーーー
とめどなく流れ出るオチッコ。
あータンの逆襲だ。
私は悲鳴こそ出るも、手も足も出なかった。
噴水はドンドンと溢れ出、
ちょっとした泉を作り始めていた。
肌着に洋服に・・・
あぁ・・・・ダッコ紐・・・・。
ダッコ紐上浸水だ。
これから私が背負わなければならない任務が
走馬灯のように頭の中を駆け巡る。
この狭いオムツシートの上で
荷物を抱えながら
バッタバタするあータンを抑えながら
新しいオムツをはかせ
濡れた洋服と肌着を脱がせ
着替えの肌着と洋服を着せ
濡れたダッコ紐をタオルオフして。。
あぁ、なんてことだ。
今日に限ってタオルを忘れた。
ガーゼ数枚では手に負えない。
このオチッコが潤々しているダッコ紐に
あータンをのせ、それをまた私に密着させて
帰るしか道はないのだ。
それが数秒で行き着いた答えだった。
呆然と立ち尽くしていた私の瞳に
オチッコを終えたあータンの どや顔 が映った。
『あ、オチッコでちゃったカンジですかぁ~?
オチッコでるわ、ハゲてるわ、ドーモすみまてんね~』
あータンの目は、私にそう語りかけていた。
そしてまた 自分のことを棚にあげ、
やはり・・・少しメリ-ズを恨んだ。
これが おかどちがい だ。