ごきげんよう、カイロンさま!
『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ著)のアトレーユが描きたくてイラスト勉強中です。Wordpressでイラスト成長記録を書いてきましたが、セキュリティ対策などブログ管理の負担を減らしたくて、こちらへ記事を引越ししています。これまで描いた『はてしない物語』のイラストを整理しつつ、記事を引越し中です。ごきげんよう、カイロンさま!『ごきげんよう、カイロンさま!』(2022年10月制作) 「ごきげんよう、カイロンさま!」 「元気でな、アトレーユ。幸運を祈るぞ!」 少年がくるりと背を向け、早くもテントを出ようとしたそのとき、ケンタウロスはもう一度呼びとめた。二人が向かいあって立つと、老いたカイロンは両手を少年の肩にのせ、感服しきった笑みをたたえて少年の目をじっと見すえ、ゆっくりといった。 「女王さまが、なぜそなたをお選びになったか、わかりはじめたように思うぞ、アトレーユ。」 少年は頭をちょっとさげると、急ぎ足で出ていった。 著者名:ミヒャエル・エンデ 著書名:はてしない物語アトレーユと老ケンタウロスのカイロンを描きました。草海原で暮らしていたアトレーユのもとへ、国一番の名医であるカイロンが訪れます。カイロンは女王様の病気の原因を探す使命をアトレーユへ言い渡し、アトレーユが探索の旅に出る、という場面です。アトレーユはあまり感情を表に出さないイメージがあるので、静かにテントから出ていく様子にしました。老ケンタウロスのカイロン、本当は全身を描きたかったのですが、アトレーユメインの構図を考えていったら顔だけになってしまいました。カイロンは名医という威厳があるのですが、それを顔だけで表現しなければいけないので、難しかったです…。老人を描くのは初めてでした。最初は外国人モデルの写真を見ながら描いていましたが、リアルすぎてアトレーユとギャップが出てしまったので、最後はどこかのイラストレーターさんの作品を参考にさせていただきました。アトレーユの目は、本当に何回も描き直しました。違和感がなかなか払拭されませんでしたが、前髪の形を変えて、瞳孔の形を真ん丸から縦長の丸にしただけで印象が変わってびっくりしました。アトレーユの潔さが好きですこのシーン、アトレーユの潔さが本当に好きです。重要な使命を言い渡されて、自分には難しすぎる試練だと認識しながらも、きっぱりと『お受けします。』と言うところがとても好きです。現実社会でも、大変な仕事を任された後に弱音を吐かず、黙々と自分のやるべきことをする人に惹かれます…。そして、このシーンに限らずですが、アトレーユの言葉遣いが丁寧なところが大好きです。余談ですが、Audibleというアプリで聴ける『はてしない物語』(緒方恵美さんの朗読)の『ごきげんよう、カイロンさま!』というセリフは、本当にアトレーユのイメージ通りでした。私は声優さんについてあまり詳しくないのですが、緒方恵美さんは幽遊白書の蔵馬の声をされていた方なので、私が知っている数少ない(そして大好きな)声の役者さんでした。このセリフを聴いた後は、しばらく感動&感激して倒れてしまいそうでした…。