紫芙音ちゃんへ | いぬまんぢゅう。   注※食べられません

紫芙音ちゃんへ

(これは紫芙音ちゃんに昨日渡したお手紙)



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しーちゃんへ

気づけば私の人生の中で誰よりも一番長く一緒にいてくれた存在になっていました。
15年7か月19日。5710日になるんだって。
初めて会った日のことは今でも覚えています。


すごくすごく人見知り犬見知りで他の誰もかれも苦手だったね。
「大特価!」みたいな扱いで、他のダックスちゃんたちと同じサークルに入れられてた。


他の子はお友達と元気にはしゃぐ中、

サークルの隅っこにうつ伏せで鼻を寄せ、元気な下げにうつろ気なお目めをしてた。


じゃれつくお友達に耳をかまれても、お手てをかまれても、踏まれても、

ずっと無反応でため息ばかりで、

眠るわけでもなく、ただずっとじっとしてた。


具合が悪いんじゃないかな…?そう思って気になって近づいたのがキミとの最初の出会い。


店員さんに「この子、具合悪いんじゃないんですか?」って声をかけたとき、

あの店員さんなんて言ったかな…


なんかとってつけた嘘みたいな言葉で、

あの時の私、「いや絶対うそでしょ、嘘へたすぎ…」って思ったのよ(笑)

だけど、しーちゃんはその日、

そのままごまちゃんと一緒におうちに来たね。


他の誰のことも苦手だったけど、ママとごまちゃんにはその日のうち心を開いてくれた。
はじめましての日なのに、数時間後には小さな座椅子の上でごまちゃんと一緒に丸くなって眠っていたね。

それから楽しいこともたくさん経験して、いろんなところに行って、美味しいものもたくさん食べた。
新幹線や、お船にも乗ったね。


車は苦手だったけど、バッグに入ればどこにでも連れて行ってもらえるって思ってたから
バッグを出すと、一目散に飛び込んできたっけ。
最後の病院の日もフラフラしながら自分でバッグに入ってきたね。

お野菜が大好きで、冷蔵庫からキャベツを出すと、決まってママの足元で足踏みをする。


ふみふみしながら、そっとママの右足もふみふみしてアピールするんだよね。
しーたん?ママの足も踏んでるなぁ?しーたぁん??っていうのが一連の流れだった。


きゅうりを切ってるときは、

ママのふくらはぎに、絶対触れない絶妙な距離で、息だけを吹きかけてきて


「後ろにいますよ。いつでもしーたんのお口は準備OKです!」アピールしてたしーたん。
何プレイなの!?(笑)って良くつっこんでたっけ。

ママが寝転がれば、何をしてても気づいて駆け寄ってきてくれたし、
ごまちゃんから伝授された(?)フットケアは年期入ってもはやプロ級だったね(笑)


悲しいこと、辛いこともたくさんあったけど、ずっとそばで寄り添ってありがとう。
たくさん、ママに笑顔と愛しい気持ちをくれてありがとう。

しーちゃんがてくれたから、ママも辛いこと、たくさん頑張れたよ。

ほんとはずっと体辛かったね。


ごまちゃんが旅立った時、

しーちゃんはずっとママとごまちゃんのことをそばで見ていたから
「辛い、痛い、なんかおかしい」って、言えなかったんだよね。


ずっと隠してたこと、ちょっとだけ怒ってる。でも、きっとそれがしーちゃんなりに考えた優しさ。


最期まで頑張ってくれてありがとう。
最期の声はちゃんとママに聞こえたから…

ママもしーちゃんこと、ずっとずっと大好きだよ。ありがとう。
また会おうね。


追伸:おやつはごまちゃんと一緒に食べてね。

独り占めしちゃダメだよ……っていっても、

どちらかと言えば強奪していくのはごまちゃんか(笑)

仲良く食べてください。