29日金曜日は1012月期の決算発表がたくさんありました。参考になるかわかりませんが、個別銘柄の業績と株価見通しについて、こんな風に見ている、ということで書いてみたいと思います。


持っている銘柄では、減益だろうと思っていたリクルートが、20243月期の純利益が過去最高更新予想、と発表しました。アナリストのコンセンサスを上回った模様。このところ、個人的には個別銘柄の決算に対する株価の短期的な反応を読み違えまくっているので、だから短期的に上がるとか下がるとかいう予想は避けさせていただきます。基本的には数年単位の長期スタンスでどうか、という観点で。


 で、リクルートは米国のインディード事業が不振です。全体の売上も減収予想。米国景気は減速方向にあるので、景気連動の求人関連は減速やむなしというところです。にもかかわらず株価が強含んでいるところを頼もしく感じているところです。逆に、米国事業の底打ちが確認されたところで株価が天井をうつかもしれません。今はそんなイメージで眺めています。


 それから、共立メンテナンスですね。こちらは業績上方修正、増配、株式分割(329日時点の株主に12)を発表しました。学生寮の契約が伸びた上に稼働率も上昇、ドーミーイン事業も客室単価が前四半期に続いて高水準をキープしました。稼働率も89.1%と強含みですが、コロナ直前の20191012月期の93.3%にはまだ届いていません。ちなみに同年79月期は94.2%でした。逆にそこが高すぎな気がしますが。ただ、足元の稼働率が上がり切らない理由が従業員の人手不足のためなのか、お客が足りないせいなのかはちょっとわかりません。中期的な成長については、まだ新規出店の余地はありそうなので、期待できるように思います。ドーミーインはかつて仕事で出張しまくっていた時によく利用していましたが、いいホテルだと思います。株価については、インバウンドが戻ってきた、という割に株価は人気化している感じはしないので、そのあたりはすでに織り込み済みなのだろうと思います。技術革新である時急に利益が伸びる、という業態でもないと思うので、地味に長い目で見ていけばよいかと思います。しかし、予想PER28倍というのは特別低くもないですが、人気が落ちるとPERは普通に20倍を割る可能性はあります。その場合、業績は堅調なのに株価は約3割下落、現値で言うと2,000円近く下落する可能性はありますので、そういうこともあるかな、という覚悟で見ています。


 それから、めったに持っている人はいないと思われるテックポイントですが、こちらは車載用半導体がもう少し伸びていくと思っていたのですが、振り返ってみたら純利益は202412月期予想まで3期連続でおおむね横ばいという状況。決算発表資料では、いつも来期あたりから急速に利益が伸びてきそうなグラフを出していて、新開発の半導体が波に乗ればパーッといくかな、と思って見続けているのですが、さすがに伸びてこないのが2年、3年と続くと、ちょっと期待感も落ち気味ですね。予想PER10倍程度なので、ここから利益が倍になれば株価も倍になるだろう、その過程で成長期待が高まればもう少し乗っかるかも、という風に見ています。もともとはPER25倍で8,000円目標、と思って買ったのですが、全くそのようになっていません。ただ、リスクは高いと思っていましたし、開発、売上自体は変調をきたしていることはなさそうなので、見守り中です。


 電算システムホールディングスは相変わらず地味ですが増配。202412月期はEPSが大きく伸びそうで、金曜日の株価で計算すると予想PER11倍程度ですかね。地味すぎる。これも7,0008,000円くらいまで上がると思っていましたが、想定以上に地味でした。業績は堅調ですので見守り系ですが、地味なだけに(営業利益率は6%程度)、何かの拍子で利益率が落ちるようだと痛いので、長期保有かなあと思いつつも見張っていないとちょっと怖い感じです。


 ほかにも細かいものはありますが、ざっくりこんな感じで見ています。全体としては1月末に発表されたIMFの経済見通しで日本の成長率が上方修正されず、水準的に高くないのが残念でした。その見通しが外れてくれるといいのですが。海外投資家の日本株ポジションの修正(=買い)は続くと思いますが、名目GDPの伸びが継続していく見通しがないと、粘り強いお金はまだ本気では動かないだろうと思います。ここから内需が伸びれば、いかにデフレが内需を殺すか、そして、デフレを脱却すればいかに内需が戻るか、といういい例になると思います。また、日本は高齢化でも先に行ってますので、生産性の改善で景気拡大は続けられる、ということを証明できれば素晴らしいと思います。


デフレマインドからの脱却は本当に難しいということはみなわかっていると思うので、今年の景気、物価の粘りが本当に重要なところだと思います。いい方に賭けるならば日本株はまだまだ買いだろうと思いますし、個人的にはいい方に賭ける派なので、景気拡大と株価上昇を予想しています。