日経平均は103日、4日と底を抜けたように下落しました。いつものように、下がるときは本当に早いです。小型株の下落はなかなかきつくて、いよいよ私の小型株の持ち株は買値を取り返すのすら難しそうな領域に入ってきました。新ルールで、私のいる部署は今後個別銘柄は買い禁止、売りは買い付け後1年間は禁止、となってしまったので、こうなると、持っているものを売ったらそのまま株のポジションが減ってしまうので、持ち続けないと仕方がない、という状況です。投信なら買ってもいいルールではありますけれども。


 自分の持っている銘柄は、以前も書いたかもしれませんが、売上は過去最高を更新しているものの利益が減益となって株価が半値以下まで下がったというものが多いです。ので、無理した変な売上の伸ばし方をしていなければ、コストが落ち着けば利益はついてくるはずだろうとみています。短期的には、そうはいってもこの業績はいかがなものか、という状況になっているものもあるのですが、とりあえず小型株にリスクはつきもの、ということもあって保有を継続しているところです。


 さて、世の中では足元の株価下落の原因を米国金利上昇のせい、ということにしております。そこはまあ目くじらを立てずにそういう整理でよいと思いますが、米国金利上昇の理由に、米国政府への不信感もある、という論調はいただけませんね。つまり、米国債が危ないと見て売っている、と。マスコミもさすがにそれを前面に押し出した報道はしていないようですが、いかにも記事を売りたいための話だと思います。もちろん、気にしている人はいるとは思いますが、果たしてそれで本当にポジション変更まで踏み切るかどうか。投資の世界なので、自分はそうは思わないが、市場でそういうムードが高まれば米国債が売られるだろうと見て売る、というのはあるかもしれません。が、見立てはともかく、その見方はありえない、ということで一蹴していいと思います。


 そんなことを言ったら、日本の財政の方がよっぽどまずいわけですね。いわゆるGDP比の債務比率という点では。日本と比べたら米国はまだまだ余裕で国債を発行できます。で、日本は自国内でファイナンスができているから大丈夫なのだ、という論調もありますが、そういう意味では、ドルは基軸通貨だから大丈夫なのだ、という理屈の方が強いように思います。


 ということで、米国債券価格が下落(金利は上昇)して出てくるヒステリックな話はおいておいて、米国の物価指標を見ると、先行指標と考えられるものは足元で相当強く下落しており、この先物価は急速に下がっていく、というエコノミストの見方に同意しています。おそらく年内に発表される指標でそうしたことは確認できるのではないかと見ています。また、あくまで統計上の話ですが、米国の個人に対して支払われたコロナ時の給付金が、いよいよなくなってきたようです。学生ローンの返済停止も終了しますし、米個人消費はいくらか減速するのではないでしょうか。そういう意味では株価は先見性があったといえるのかもしれません。足元の高金利は、低金利に慣れた人たちにとっては魅力的でしょうから、預貯金への資金シフトもあると思います。しかし、インフレ率が高まるとなれば、リスク商品にも資金を振り向けなければ資産が目減りしてしまうという理屈もあります。要は、実質成長率がプラスであれば、インフレを上回る経済成長をしているということですので、株式投資をする意味がある(株価の上昇が長期債利回りを上回る)、ということでいいのではないか、と思うわけです。短期的な株価変動はあるにしても。


 チャート分析が外れすぎているので、チャートでタイミングを推しはかる自信がないのですが、日経平均の3万円とび台はエントリーのタイミングとして悪くないと思っています。