予想は当たったり当たらなかったりはあるとは思いますが、このところの当欄で書いている株価指数の先行きに関するメインシナリオが当たらな過ぎで、同意された方には本当に申し訳ないです。


 先週、915日の上昇は、ふつうに61981日を結んだ上値抵抗ラインを抜いたので、そのまま上に行くと見るところでした。一方、「だまし」というのもあるので、それを言い始めたらセオリーも何もないのですが、結果的にはそういうことになりました。理屈をつけるならば、1920日の下げはまだよかったです。上抜けた後のいったんの戻しということで、ここは買い、という判断にならざるを得ないところだと思います。しかし、21日の下げはいけません。ここまで下げるとなると、15日の上抜け自体がインチキだった、ということになってしまいます。ということで、当欄で追ってきたチャートの見方はすべて後手後手に回っており、予想が外れて後から解説、みたいになっています。とてもよろしくないですね。


 NYダウのチャートもちょっとよくわからない感じになっていますが、チャートはチャートなのでいったん横に置くとして、FOMCでは市場が思っていたよりもタカ派の見方と判明して市場が軟調、というのがとても残念に思います。というのは、かなり是正されてきたとは思われるものの、FOMC参加者の金利見通しに対して市場の見方の方がやや弱気となっており、市場の早期利下げ期待は依然として残っていたように思います。それが打ち砕かれたというのが先週の市況解説で聞かれたところですが、米国10年債利回りがここにきて高値を更新するのを見るに至っては、みんな何をしてんねん、という感じです。個人的には、長期債利回りはまだ下げに転じることはないと思いますが、せいぜい横ばいでいいのではないかと。


10年債利回りが上昇するということは、ここにきて10年債を売っている投資家が多いということで、値下がりした債券を売っている(投げている)ということですね。投資資金には期日もあるし現金化のニーズもあるかもしれませんが、ここで高利回り債券を投げるかなあ、というのが個人的な感想です。個人的にはこの先、金利は横ばいから下落に向かうと考えているので。大きなマクロ見通しは、突発的な出来事がない限りはそんなにとんちんかんな外し方はしないだろう、と思うのですが、そうした点で、物価上昇率は今後緩やかに低下することは間違いないだろうと思うわけです。にもかかわらず、今さら利回りが高値を更新し、それを嫌気して株価が下落って、どうなっているのか、と。


 ということで、自分のマクロ見通しが間違っていなかったとしても、コンセンサスがどこにあるかを理解していないと、全く相場に乗ることはできないということですね。


 現状、市場が金融政策の方向性を気にしていることはよくわかったといえますが、となると、政府閉鎖の可能性を嫌気した、というのは比較的説得力のある話のように思います。予算が執行されずに米国でごみが回収されなくなるとか、そういうこともありますが、政府閉鎖によって経済統計の発表が遅れ、金融政策に影響が出るおそれ、というのは、金融政策に敏感になっている現状ではリスクとして結構上位にあげざるを得ないところだと思います。ちゃんとマクロ指標が発表されていても政策決定を間違えるかもしれないのに、統計が発表されないとなるとどうなってしまうのだろう、と不安に思うのも無理はないと思います。


 一方、日銀に関しては、金融緩和の継続は日本人からするとそりゃそうだろうと思いますが、海外投資家はそうは思っていないようで、いつ正常化するのか、を注視しているようです。日本株投資を考える際に、際限なく円安が進むようならドルベースのパフォーマンスに悪影響が出ます。かといって、金融緩和を終了して日本経済がダメになるようなら投資する必要がなくなります。一番いいのは、金融政策の緩和策を変更するものの引き締めには転じず、円安は止まるものの一方的な円高にはならず、景気は堅調さを維持する、というシナリオです。これはまあありうるかな、と思います。もう一つ肝心なのは個別企業の業績ですが、私の持っている小型株は売上が伸びたもののコストがかさんでまさかの減益、株価は高値からみて半値以下に、という感じです。人件費等が今までにないペースで上昇したこともありますし、やや積極的に投資を増やしたことも、利益を減らした原因であります。足元の利益を減らした先行投資がこの先の利益増加に結び付くということに確信がもてれば、株価は高値を取り戻すだろうと思います。ここは信じるか信じないか。信じて、それが思惑取りになれば、ここから株価は倍以上になる、ということだろうと思います。もちろん、私はそうなるだろうと思っているのですが、どうでしょう。