日経平均は719日に32896円と、ダブルトップのネックラインである627日の32306円を上回りました。もしかしてダブルトップからの下落回避か?と迷いの出るところですが、627日高値が32708円ですし、週末にかけての動きを見るにつけても、まだダブルトップからの下落トレンド入りの目は消えていないように思います。といっても、中長期的な下落トレンドに向かうということではなく、一段と上昇する前の調整局面、と見ています。


 今週、724の週は日米欧で金融政策決定会合が行われます。2526日が米FOMC27日がECB理事会、2728日が日銀金融政策決定会合です。今回の会合でこういう結果が出るだろうから買う、あるいは売る、というばくちのようなトレードもあるとは思いますが、個人的にはあまりお勧めしません。それよりは、今の投資家がどちらのシナリオをどれだけ織り込んでいるか、ということを考えた方がよいと思います。


 足元でNYダウは10連騰しており、過去10連騰したときはその後どうだった、というようなレポートも出ていることとは思いますが、そういうのはいったんおいておきます。で、10連騰の背景をざっくりまとめると、米物価指標が思ったより落ち着いており、景気はちょっと減速している感じ、その結果長期債利回り等が落ち着いていて、その割に企業業績は悪くない、というようなところかと思います。しかし、おそらく長期債利回りはもう少し高いくらいの方が居心地がいいと思われ、政策金利はあと0.5%ほどは上でよいだろうと思います。となると、今回0.25%上げ、次回も0.25上げて、その後当面その金利を維持、というところかなと思います。もしかしたら今回は前回に続いてもう一度様子見で政策変更なし、の可能性はあるかもしれませんが、NYダウ10連騰とかを見てしまうと、ここは上げといても大丈夫じゃね?と政策担当者は思うかもしれません。


 また、10連騰となると、個別銘柄の動きはともかく、いったん売られてもおかしくないと誰もが思うところ。誰もが思うような動きにはならないのは相場というものではありますが、イベントに向かって一方向に動いた相場が、イベントを通じて再加速、というのはちょっと難しいように思います。特に上昇の場合は下落よりエネルギーがいるので。もっとも、このところ日本株の上昇が止まっているとはいえ、ドル圏からすれば外国株である日本株がこれだけ上がるのですから、インフレ急上昇から定着、少しずつインフレの水準低下(今ここ)という局面で、リスク資産への資金流入という流れは継続していると考えていいと思います。


 一方、日銀の政策は金融緩和継続で当たり前、ということだと思います。先々の政策変更を軽くにおわすようなことをそろそろ始めると思いますが、そのあたり、短期筋が材料とみて売り仕掛けをしてくる可能性は結構あるかなと思います。しかし、ここまで書いてきたように、リスク資産への資金の流れは継続していると思うので、下がったところで素早く買い戻しをしないと、上にもっていかれることになるだろうと思います。


 要するにどうなんだ、ということですが、今回の金融政策決定会合は、結果がどう出ようと株価は売られる材料になりがち。不安心理の大きさにもよりますが、下落一巡後は上昇のタイミングをうかがう相場に、と予想しています。米金融引き締めに対する楽観は禁物、しかし、市場の楽観見通しはここ数カ月で修正されて当局の感覚と一致してくるだろう、と予想しており、大きなずれがない以上、ちょうどいいくらいかな、と思っています。