日経平均は引き続き堅調に推移しています。27,500円どころは昨年128日安値だったり、日足ローソク足で同月16日前後の窓開けの価格帯となるので、足踏みするのもやむを得ないところと思います。この先、28,000円台に乗る前に、昨年8171124高値を結んだ上値抵抗ラインに当たると思いますので、そのあたりもちょっともみ合うところとなるかもしれません。逆に言えば、そこを抜けて28,000円台乗せとなると、いよいよ売っていた人もあきらめざるをえない感じになってくるだろうと思います。


 今年14日の25,600円どころから上昇してきているわけですが、相変わらず慎重姿勢というか、弱気を言っている人は一定数いるようです。相場の常としてえてしてそういうものですけれども。どうですかね、そういう人たちは、そのうち、強気転換はしない(というかできない)ものの、銘柄選別が重要なタイミング、とか言い出すのではないでしょうか。こんな風に、人が何を言うのかを当てに行くなんて趣味が悪いように思う人もいるかもしれませんが、相場というのは多数の人がどう動くかを当てるゲームとも言えますので、こういう想定は常にしておいた方がいいだろうと思っています。


 そういう意味で、弱気の人は何を根拠に弱気を言うのでしょう。金融引き締め局面、長引くインフレ、企業業績の減速、といったところでしょうか。しかし、金融引き締めに関しては、利上げのペースはすでに鈍化しようとしています。インフレも、すでに際限なく上がるということはなく、おそらくピークを打ってきただろうということが統計で確認できるのはもう目前です。企業業績の減速なんて、何を今さら、だから株は下がったんでしょう、という話なので、何とものんきなことを言う人たちだな、と思う次第です。


 特に思うのはマクロの見通しですね。個人消費は賃金との連動性が高いわけですが、じゃあ賃金はどうなるかというと、どう考えても物価に遅行するに決まっているといっていいと思います。物価が上がってから賃金が上がるのです。


したがって、すでにいろいろ個別企業ベースでも報道はされていますが、2023年度は賃金が上がるでしょう。一方、物価上昇率は際限なく上がることはないことは、すでに統計的に結論は出つつあります。景気が過熱して需要が追い付かない、ということは一部のモノでありましたが、特に日本は基本的に需給ギャップで言えば供給過剰なので、インフレが高進しにくい点に変わりはないはず。理屈で言えば、インフレ以上に賃金が上がらないと、つまり、実質賃金が上昇しないとインフレ率以上の出費はできない理屈ですが、名目賃金が上がって名目消費が増えれば、例えば国内サービス産業の売上は伸びるはず、、という考え方でいいと思います。


 去年の日経平均は、8月中旬のごく短期間を除けば、基本的に28,000円台前半を抜けずに終わった1年でした。コロナ終息の希望的観測と物価上昇、金融引き締め懸念の綱引き相場とも言えましたが、やはり今年は同水準を超えるだけの環境はそろっていると見るのが自然だろうと思います。