まず、現状、上昇してきたNYダウの33,000ドル近辺は今年3月の安値近辺なので、普通に考えたらいったん押し戻されてもおかしくないところのように思います。次回FOMCが6月14、15日なので、6月中旬にかけてFRB関係者の発言が控えられるようになるわけですが、5月のFOMC前と同様の動きになるとすれば、やはり6月初旬は軟調となることが想定されます。で、最初の利上げ後2か月後に安値のパターンとなるならば、6月の利上げ後にもう一段安となり、7月のFOMCは7月26、27日ですので、その前に底打ち反転していく、というのが基本シナリオになるだろうと思います。
ここまでは過去のパターンを軸に考えてみましたが、7月安値が5月安値を下回らない可能性もあると思います。となると、個別では5月安値からすでに次の上昇波動が始まっている銘柄は結構あるのかな、と。個人的にはそう見ています。冒頭に、今回は株価大きく下落しているので、と書きましたが、確かに90年ぶりの8週連続安とか(先週、Bloombergの記事をもとに99年ぶりと書きましたが、その後修正されたようです)、歴史的下落っぽい話はあるにはありますが、株価下落率という点ではそれほど大きなものではないと思います。ですので、NYダウはもう一段安はあってもおかしくないと見ています。ただ、33,000ドル近辺を上に越えてくると、今度は逆にその水準が下値支持となると思うので、その場合は弱気の見方は修正することになると思います。
一方、日本株は米国にあまり左右されていません。コロナの流行は読めませんが、景気、株価の方向感としては楽観的に見ていていいと思います。あえて言えばこのままいけば景気が回復する一方で冬場の電力不足が景気を抑えることになるかもしれません。が、まだそこはあまり考えなくてもいいと思います。コロナが読めすぎないこともあり、このところ思惑というよりも実際に事が起きてから株価が反応するケースが多いように思います。そういう意味で、6月10日からの外国人旅行者の受け入れの件も、案外まだ相場には織り込みは進んでいないと見ています。