日経平均強すぎですね。3月の株価下落では、Twitter等を見ていると壊滅的損失となってしまった個人投資家が多かったようですが、足元の連騰で取り戻せているのでしょうか。しかし実際のところ、信用取引などを使って手持ちの現金以上の取引をしていて大きく損失を出すと、その後、損を取り戻そうと思っても運用資金自体が無くなってしまって取り返すにも取り返せない、という風になりがちです。足元の数日間の上昇ではマザーズ銘柄はやや置いてきぼりのようになっていて、大型株にしてもチャートで大底から見ればそれなりに上昇しているものの、では底値で買えたかとなるとはなはだ疑問です。となると、やはりこの上昇相場に乗れている人は少ないのだろうと思います。

 チャート的には、昨年秋以降に形成した大きめの三角持ち合いから下に放れて下げてしまった日経平均ですが、足元の上昇でかなり値を戻し、三角持ち合いの上値と下値を引っ張って、ちょうど三角形の頂点となるところまで戻ろうとしているところです。ここまで戻ってお疲れ様、とまた下げるのか、ここから上に抜けてくるのか、というポイントですが、個人的にはこのところの売買代金の多さに注目しています。つまり、相当売っている人たちがいるものの、相当買っている人たちもいる、ということです。で、それでも株価が上がっているということは、勝ち負けで言えば売ってる人が負けています。海外投資家はそもそも日本株のポジションは高くなかったはずなので、新規に空売りをしている投資家は多いと思います。国内個人投資家も下手したら空売りしている人がいるかもしれません。そういう人はたいていやられているわけですね。で、売りポジションを持ったままの人は、この上昇相場でどうしよう、と思っているはずです。米国の利上げは株価の悪材料となるはずがすでに織り込み済み、金利が上昇しているのに株価は上昇しています。ウクライナの件もロシアが第一段階の作戦は終了した、などと言うあたり、終盤に近付いていると考えてよさそうです。となると、ウクライナの戦況で株価が下がる可能性も下がっている。その他もろもろありますが、株価下げが期待できる悪材料が悪材料になっていない状況、となると、売り方には厳しい状況だろうと思います。要するに、買い戻しをせざるを得ない状況が続くのではないか、となると、ここから先、安値で売った株の買戻しで値が上がってしまう、という展開になるように思います。トヨタも生産調整からなかなか抜けられそうにないですが、それでも株価は上昇してきています。この分だとおそらく高値を抜くと思います。


 ということで、私事で恐縮ですが、実はこの春に異動となりまして、調査部ではなくなります。現部署にいる間は会社のレポートで書くようなことはここでは書かないようにしていたのですが、そういう縛りはなくなります。その代わりといっては何ですが、仕事でずーっと相場を見ているというわけにもいかなくなりました。ここのプラスマイナスはどちらが優位かわかりませんが、過去、いろんな部署にいながらも当欄執筆はしぶとく続けさせていただいておりますので、今しばらく続けさせていただこうと思っています。GOLGOさん、引き続きよろしくお願いします。