東証は海外投資家がクリスマス休暇に入って薄商いとなっています。一方、売買代金という点ではマザーズ市場はむしろ高水準で推移しています。こうした点からもマザーズ市場は国内個人投資家の比率が高いことがわかります。年末にかけてIPOが集中し、公募価格割れの銘柄が続出しています。こういう銘柄ははたして買いなのか。個人的には、投資顧問でも開業してればある程度の分析もし、公表もするところですが、そういう状況にはないのでここであれこれ書きません。が、少し思うところを書きますと、何銘柄か見たところ、株価が割高か割安かはさておき、ちょっと疑問点のある感じがする銘柄がいくつかありました。


例えば、創業してからそれなりに年数がたっていて、自己資本比率や利益率は高くなく、今の経営体制では高成長は見込めない感じの会社とか、この先12年は営業力で顧客開拓が進みそうな感じはするものの、赤字脱却、あるいはある程度の利益水準になった後さらに伸びる感じがしない会社とか、そもそもそういう理念を掲げて市場に公開するのはどうなのか真意を確かめたい、と思う会社とか。公開に際しての書面を見ただけなので何とも言えませんが、投資家サイドとしては、高い利益成長を見込むとか、そうでなければ高水準の株主還元を約束するとか、そういう何かが欲しいものだと思います。


 安かろう悪かろう、という会社に投資してもお金を失うだけですので、ただ公募価格割れだから買い、ということはないと思うのですが、それでも短期的な需給の影響というのはありますので、中にはお買い得なものもきっとあるだろうと思います。


 個人的には公開直後のベイカレントがそうでした。公開後の情報等を見て、その情報が本当ならこんなに安いわけがない、私が知らないだけで何かまずいことでもでもあるのだろう、と思っていたのですが、結果的には株価は相当上昇し、会社が言うことを信じて買っておけばよかった~、ということになりました。あれは残念でした。今回もそういうのが混じっていそうな気がします。逆に、寄り付きから公募価格を越えて買い気配となった銘柄の中には、大丈夫かな、というか、ダメだろうと思うものもあります。どうでしょうね。


 来週日曜日は正月2日となります。多分当欄はお休みとなると思います。それでは皆様、よいお年をお迎えください。