先週は熱が出て寝込んでしまいまして、お休みしました。どうもすみません。しかし、やたらと睡眠をとったせいか順調に回復しました。

 それにしても相場は全然だめでした。節目と思われた価格帯がどんどん突破されてしまった感じです。現状見ている日経平均の底値は14500円どころです。PERがどうのこうのと言うよりは、チャート上の過去の節目の方が頼りになるように思います。そうすると、アベノミクスが始まる前のところ、おおかた14500円前後かな、と。

 にしても、日経新聞の記者が若いのかバカなのか読者をなめているのかわかりませんが、どうも間抜けな記事が散見されて、これを真に受ける読者もいるかもしれないと思うとむしろ腹立たしくさえ思う今日この頃です。

例えば、マイナス金利について、お金を借りて金利をもらうと言う前代未聞の異常事態、みたいな書きぶりがありますが、これなどは本当にやめてほしい。物価というのは貨幣価値、すなわち、通貨とモノの交換レートの変動ということになりますが、物価が上がれば金利は上がるし、物価が下がれば金利は下がるのは道理です。金貸しの金利はそこに商売で儲けるための金利が上乗せされるので、借りるための金利は通常物価より高めに設定されている、という当たり前の話です。

物価が1%で貸し出し金利が2%という関係があったとしたら、もし物価がマイナス2%なら貸出金利はマイナス1%になります。それだけの話であって、絶対値としての金利0%以上も以下もあったものではありません。

たしかに借入金利がマイナスとなると、お金を借りた人が金利をもらうことになりますが、それ以上に借入している金額の貨幣価値が上がってしまうので、1%の金利をもらったって銀行は1%の金利上乗せ分きっちり儲かる仕組みなわけです。

 つまり、「マイナス金利」というのは、0という数字を基本にプラスかマイナスかを言っているだけの話であって、そもそも金利は物価の水準にたいして相対的に決定されるものである以上、絶対値としての0%以上か以下かということは議論としてはほとんど無意味、単なる感情論に過ぎません。

たしかに、借金しているのにお金をもらえると言うのは感覚的には変な感じがしますし、そういうことは過去ほとんどなかったはずなので、そういう視点で報道する気持ちはわかります。しかし、こういった物価と金利の関係を全く横に置いておいて、ただ前代未聞だ、あり得ない状況だ、というような書き方をするのはいかがなものか、と。

「日本経済」新聞などと名乗っているくせに。だからマスコミは信用できませんね。日経といえどもこういう扇動的なものの書き方をするわけですから、ただのバカかもしれませんが。その他にもいくつかあった気がしますがこれぐらいにしておきます。

 今朝(14日(日曜日))の日経新聞では日本株の下げの原因が中国株の下落とか書いていましたが、当欄で等も書いているように、主因は米国の利上げということでいいと思います。その結果の原油安であり、新興国不安だと。中国の景気減速は中国の独自要因による部分があり、それはつまりリーマンショック直後の景気対策のための過剰投資の付けが回ってきてた、と言うことでいいと思います。

 なんにしても、こうして相場が崩れてくるといかにも構造的にダメ、みたいな話が増えてきますが、全くそんなことはないと思います。原油価格下落は循環的なものともいえ、原油がここ半年のペースでこの先下がり続けたら、7月末に価格が0になるわけで、そんなことになるわけはありません。また、中国の景気減速の要因の一部は過剰投資による在庫調整ですから、在庫調整が終了したら、生産や出荷も回復に転じるに決まっていま
す。

ドイツ銀の話にいたっては、下手したら悪質な風説の流布と言えそうな案件だと思います。ということで、ドイツ銀は債券の買い戻しを発表しましたし、イエレンの議会証言も終わりました。相場はもう落ち着いてくると思います。向こう半年から1年を見れば、ここで買っておいて損をすることはまずないだろうと思います。