この所の株式市場は、大きなボラティリティーが続いています。2015年の3月に出版された本書は、ミリ単位で売買をこなすフラッシュボーイズの暗躍を詳しく説明してくれています。
NY市場も上昇に転じた所で、1年前に書いた読後感ですがアップしますね。
興味を持たれたら、読んでみて下さい。

あなたが見ている売り玉や買い玉は、もう既にありません。発注した途端に、知らない誰かが先に執行してしまっているのです。
本書では、出来るはずの売買が出来てこない?そんな商いに疑問を感じたカナダロイヤル銀行のブラッド・カツヤマがそのシステムを暴き出す過程とそれに対処する方策を考え出し、詳しく解説されています。

株式ディーラーをしていた時に、山手線の内側にある会社の注文が早く執行されると言う噂ばなしがあり、体感的にはなっとくしていました。
米国市場でも、ある一定の取引所では全ての売買が板の通りに成立するのに、それ以外では同じように注文を出しても成立しない。
そんな事実を確認し、その背景にあるフラッシュ・ボーイズ達の暗躍を暴き出しました。
それはまるで、あなたのお財布の中から数ペニーの小銭を奪い去るように、全く意識しない間に執行されていたのです。
光ファイバーと高度にシステム化された売買によって、我々が意識する間も無く、毎日、財布から小銭を抜かれているようです。
ファンドの運用者も、ようやくフラッシュ・ボーイズ達の存在を知りました。
取引所・大手投資銀行ぐるみで、いかさま博打をやっているようです。
日本でも、彼らの存在が早晩注目を集めるのでしょう。

{F10E062E-E030-479E-94B9-36AAF77B208E:01}