クラブ職人の徒然草~2 -459ページ目

The Mystery 211MF ウエッジ




先の記事でご紹介した

ミステリー 211MFウエッジ

フェイス面を2/1000mmという鏡面にミルドする事でフェイス乗りを良くし、スピン性能を上げるというコンセプト。





SWの試打クラブが仕上がりました。

お貸し出しも致しますので是非お試しください!

軟鉄鍛造ヘッドの黒染め

先日、藤本技工さんで削ってもらったウエッジのヘッドを当工房にて黒染め加工しました。

黒染めとは鉄素材の表面に0.2μmの極薄の酸化皮膜を形成させる防錆。簡単に言えば錆の膜を作ってそれ以上錆ないようにする加工です。

今回は常温での処理です。

今回使用した液剤は4つ。

1:デグリースA
ヘッドを脱脂するのに使用。
原液1:水4で5倍に希釈します。これで有機溶剤系脱脂剤と同等の脱脂が出来ます。

黒染め加工を成功させるコツはこの脱脂を完璧にすること。

この溶液に付けて真鍮ブラシやスチールウール(家庭用金属タワシよりもっと細かい文字通り金属の綿)で隅々まで丁寧に洗い、約20分漬け込みます。

漬け込みが終わったら流水で良く洗い流します。

このとき、水を弾く所があれば不十分。もう一度溶液で洗い、5分くらい漬け込んで洗い流し、ヘッド全体にまったりと水がまとわりつく感じになるのを確認します。


2:ホイラーF
軟鉄ヘッドはそのままでは活性度(染まりやすさ)に部分的なムラがあり、染め上がりがムラになりやすいので「酸洗い」という工程に使用。
原液のままか2倍に希釈して使いますが原液の方が効果が高いと思います。

1で水洗いしたヘッドを2の溶液に漬け込み、やはりスチールウールで全体を良く洗います。
その後、10分くらい漬け込んで流水で十分に洗い流します。

この洗い流しが不十分で刻印やスコアラインに溶液が残っていると次の黒染め溶液と反応を起こしてエラい事になります。


3:インスタブラック333
黒染め液。原液1:水4で5倍に希釈して使用。

2で水洗いしたヘッドを振って水切りして漬け込みます。
10秒位、軽く溶液内でヘッドを振るようにしてから一旦引き上げ染まり具合を見ます。
ムラがあるようならすぐ漬け込み、さらに10~20秒。

黒染め液から出してモタモタしていると水気の取れたところが赤く反応してしまうので手早くやるのがコツ。

溶液から出したらすぐに流水で水洗い。

そのまますぐに、


4:イーテック505+
黒染め皮膜を安定させ、防錆効果を高めます。

3で良く洗い流したヘッドを漬け込み、静かに1分くらい。

引き上げたら雫を落とし、自然乾燥します。トゥ辺りに溜まってきて落ちきらない溶液はウエスやキッチンペーパーなどでそっと拭き取ります。

完成がこれ。







今回のヘッドはバフまでかけてもらったのでサテン仕上げ状態に綺麗に仕上がりました。

実はこれ、二回目の染め直しなんです。

2のホイラー溶液に漬けながらスチールウールで根気よく磨いてやると黒染め皮膜が落とせます。

その後、水洗いして1の脱脂からやり直しました。

1と2の工程が美しい染め上がりには不可欠です。


尚、接着前のヘッドは不要なシャフトに仮止めすると作業しやすいです。

接着後のクラブでやる場合、ソケットには全く影響を与えませんのでソケットごと漬けても大丈夫です。

但し、スチールシャフトに溶液が掛かると化学反応汚れが取れなくなるのでナイロン袋などで養生します。


以上、ご参考になれば幸いです。

明日、休業いたします

明日、10/9(日)

出張のため工房はお休みを頂きます。

 

はい、そのとおりです。

 

包み隠さずゲロ(白状)いたします。

 

 

年に2回の同窓会ゴルフです。

 

 

 

「俺のクラブはぁっ!?」とお怒りの声もちらほら聞こえたり致しますが

 

何卒ご容赦くださいますよう伏してお願い申し上げます。