ウッド系クラブのセットを組む。という仕事

FWウッド 3W,5W,7Wのリシャフト準備中です。
FWやUTというウッド系のヘッド形状の物はソールの「座り」があり複数のパーツが立体的に溶接成形されているのでアイアンヘッドのようにネックを曲げてロフト・ライ・フェイス角を調整することが出来ません。
また、3〜5個のパーツを溶接するのは職工さんの手作業ですからどうしても個体差が出ます。
例えば3W,5W,7Wのセットを作るとすればロフトは15.0,18.0,21.0と3度ピッチになり、長さが0.5"ピッチでライ角が0.5度ピッチになり、フェイス角は同じか少しずつオープンにフローしている。
という仕上がりになれば理想的ですが、
市販クラブをリシャフトやチューンナップで持ち込まれた場合は言うまでもなく、別注用のコンポーネントブランドでさえノーチェックで納品されればヘッドスペックが綺麗なフローで揃っていることは先ずありません。
別注で作らせて頂く場合はメーカーさんに発注する時点で選び込んでもらうか、各番手数個ずつ送ってもらって当方で計測して選別します。
そして、
①ネックのホーゼル孔にシャフトを真っ直ぐ仮挿ししてロフト、ライ、フェイス角の3要素を計測。
②その結果から各番手のシャフトをどの方向にどのくらい倒して装着すれば3要素が綺麗なピッチでフローするかを考え、
③そのようにシャフトを仮挿しし直して確認計測。
そうして出来るだけベストに近い形を探します。
計測単位は全て0.1度単位。
スイングバランス、シャフト硬度、重量を適切にフローさせる事は言うまでもなく、シャフトのしなり挙動も一貫させます。
こうして複数番手のセットを作って初めてどの番手も同じタイミング、同じフィーリングで振ることが出来て、同じ球筋、同じ距離ピッチで球が打てるクラブセットが出来上がります。
こういう仕事が出来るのはコンマ1度単位で絶対値としてスペックを計測出来るゴルフギャレーヂ製測定機があるからこそです。

メーカーから来たヘッドがこれやから、持ち込まれたヘッドがそれやから、選んだシャフト真っ直ぐ挿してヘッドスペックのフローがどうとか知らんし。バランスはネックの中にバランサー仕込んで数字合わせたらええし。
では無いでしょう?
プロのクラフトマンのお金を頂ける仕事というのは。
誰に言うてんのん?
まあ、よろしいやん。思い当たる人には分かってるでしょうから。
ユーザーを騙してはいけない!
ドライバーの組み立てをしてほしい。
と、ご来店下さったBさんはHC4でアマチュア競技にも出ておられる方。
ヘッドはテーラーメードのM3ですが、最も適切なフェイス角&リアルロフトを得られるスリーブポジションを探す、というお話と、
ポジションが決まったらスパインアラインメントを施して装着するのでカチャカチャ機能は使わない、シャフトのロゴの向きはランダムになる、というお話をし、
さらに持ち込まれたシャフトが適切なものかどうかを判断する基準になるのは使っているアイアンのシャフトである、という話に及び、
そこで、実はアイアンに満足・納得が行ってないところがあるんだ。とのこと伺いました。
このアイアンセット、某国産有名メーカーの某工場での特注モデルで、
シャフトフィッティング、スペックフィッティングを受けて仕様を決定し、ヘッドの研磨も希望を入れてくれる完全別注品。
添付されていたスペック表を見ると5番=62.5度とかなりアップライト。
Bさんは身長177cmでそれほど深い前傾姿勢のスイングではないにしても・・・
また、HCにふさわしい素晴らしいスイング力で、このアイアンを作った当時は尚更と想像すれば、それにしてはちょっとシャフトが軟らかすぎないのかなぁ、とも思えます。
「上手く捕えた。と思ったショットがチョイカミになったりドローがきつかったりしませんか?」と問えば
「そんなんしょっちゅうですよ。HC4なんてそんな上手ないですから。でも右に飛ぶこともあるし気になってはいたんです」とのことで、じゃあということでライ角を測ってみると・・・
因みに右の列はグリップを外した「生」のバランスですが、
スペック表 実測 バランス
6番 63.0 61.0 E1.8
7番 63.5 61.1 E1.5
8番 64.0 62.0 E1.4
9番 64.5 62.0 E1.6
PW 65.0 62.2 E1.7
さらに、スイングバランスは5番~PWまですべてD2.0となっていますが、実際には最大で0.4ポイントもずれてる。
D1.6とD2.0は同じD2.0ですわ、とは言えんやろ、と僕は考えます。
この実測ライ角、2度から狂ってる上にピッチも全然上がっていない。
シャフトがプロジェクトXという元調子の5.0(R)ですからトゥダウン量のあることも考慮に入れれば完全にフラット過ぎる角度、と言えます。
そりゃHC4の実力者がダフリ気味アイアンショットを打たされ、ショートアイアンがピンを差さないショットを打たされて当たり前。
クラブが打たせるミスショット、というお話を数話前の記事で書きましたが、これもまたその典型例でしょう。
わざわざ岐阜まで足を運んでフィッティングを受けて、大枚はたいて「これでアイアンはもう一生モンや」と心に決めて作らせたクラブがこれでは・・・
気の毒すぎます。
きれいに梱包されて納品されたアイアンには当然ながら傷一つ付いていないピカピカ新品。
ということは組み立て後に角度チェックをし、フィッティングした通りの角度になっていなければ調角する、という過程を踏んでいない証拠です。
当工房では新品から作る三浦技研の別注アイアンセットでも必ず計測・調角を施しますから少なくとも何本かにはネックに当たり傷を付けて納品しています。
人間の手で研磨し、曲げて叩いて作り上げる鉄のアイアンヘッドは完全な手工業製品で、そこに組み立て時のシャフト装着誤差が出ますからピッタリ0.5度ピッチにピッタリ仕様通りの角度が出なくて当たり前です。
メーカーから渡された嘘八百のスペック表に悄然と目を落としたBさんでしたが、当方の話に納得下さり、この際リシャフトも視野に入れて考える、ということになりました。
歴史を刻んで世界のゴルファー達にそのブランド名を確立されたメーカーさん、
フィッティングまでして仕様を決めた高額な別注品ならせめてフィッティングした通りの仕様に作って納品しましょうよ。
嘘はいけません。
見ただけじゃ何にも分かりませんが、測ればすべては白日の下、バレバレです。
と、ご来店下さったBさんはHC4でアマチュア競技にも出ておられる方。
ヘッドはテーラーメードのM3ですが、最も適切なフェイス角&リアルロフトを得られるスリーブポジションを探す、というお話と、
ポジションが決まったらスパインアラインメントを施して装着するのでカチャカチャ機能は使わない、シャフトのロゴの向きはランダムになる、というお話をし、
さらに持ち込まれたシャフトが適切なものかどうかを判断する基準になるのは使っているアイアンのシャフトである、という話に及び、
そこで、実はアイアンに満足・納得が行ってないところがあるんだ。とのこと伺いました。
このアイアンセット、某国産有名メーカーの某工場での特注モデルで、
シャフトフィッティング、スペックフィッティングを受けて仕様を決定し、ヘッドの研磨も希望を入れてくれる完全別注品。
添付されていたスペック表を見ると5番=62.5度とかなりアップライト。
Bさんは身長177cmでそれほど深い前傾姿勢のスイングではないにしても・・・
また、HCにふさわしい素晴らしいスイング力で、このアイアンを作った当時は尚更と想像すれば、それにしてはちょっとシャフトが軟らかすぎないのかなぁ、とも思えます。
「上手く捕えた。と思ったショットがチョイカミになったりドローがきつかったりしませんか?」と問えば
「そんなんしょっちゅうですよ。HC4なんてそんな上手ないですから。でも右に飛ぶこともあるし気になってはいたんです」とのことで、じゃあということでライ角を測ってみると・・・
因みに右の列はグリップを外した「生」のバランスですが、
スペック表 実測 バランス
6番 63.0 61.0 E1.8
7番 63.5 61.1 E1.5
8番 64.0 62.0 E1.4
9番 64.5 62.0 E1.6
PW 65.0 62.2 E1.7
さらに、スイングバランスは5番~PWまですべてD2.0となっていますが、実際には最大で0.4ポイントもずれてる。
D1.6とD2.0は同じD2.0ですわ、とは言えんやろ、と僕は考えます。
この実測ライ角、2度から狂ってる上にピッチも全然上がっていない。
シャフトがプロジェクトXという元調子の5.0(R)ですからトゥダウン量のあることも考慮に入れれば完全にフラット過ぎる角度、と言えます。
そりゃHC4の実力者がダフリ気味アイアンショットを打たされ、ショートアイアンがピンを差さないショットを打たされて当たり前。
クラブが打たせるミスショット、というお話を数話前の記事で書きましたが、これもまたその典型例でしょう。
わざわざ岐阜まで足を運んでフィッティングを受けて、大枚はたいて「これでアイアンはもう一生モンや」と心に決めて作らせたクラブがこれでは・・・
気の毒すぎます。
きれいに梱包されて納品されたアイアンには当然ながら傷一つ付いていないピカピカ新品。
ということは組み立て後に角度チェックをし、フィッティングした通りの角度になっていなければ調角する、という過程を踏んでいない証拠です。
当工房では新品から作る三浦技研の別注アイアンセットでも必ず計測・調角を施しますから少なくとも何本かにはネックに当たり傷を付けて納品しています。
人間の手で研磨し、曲げて叩いて作り上げる鉄のアイアンヘッドは完全な手工業製品で、そこに組み立て時のシャフト装着誤差が出ますからピッタリ0.5度ピッチにピッタリ仕様通りの角度が出なくて当たり前です。
メーカーから渡された嘘八百のスペック表に悄然と目を落としたBさんでしたが、当方の話に納得下さり、この際リシャフトも視野に入れて考える、ということになりました。
歴史を刻んで世界のゴルファー達にそのブランド名を確立されたメーカーさん、
フィッティングまでして仕様を決めた高額な別注品ならせめてフィッティングした通りの仕様に作って納品しましょうよ。
嘘はいけません。
見ただけじゃ何にも分かりませんが、測ればすべては白日の下、バレバレです。

