クラブ職人の徒然草~2 -207ページ目

6/7(日) 臨時休業いたします。

6/7はホームコースの四大競技の第2弾

キャプテン杯の予選に出走いたします。

アンダーHCなので目標スコアに向けて頑張ります!

というわけで臨時休業です。

もし、6/14も臨時休業です。ってアナウンスしたら喜んでやってください。

6/14は通常営業です。ってなってても暖かい目で見てやってください。

ファイヤーエクスプレス新作 RR-B


ファイヤーエクスプレスの新作

RR-B(ダブル・アール・ビー)

5-Sと6-Sの試打用シャフトが届きました。
早速組んでみようと思います。

発売元のコンポジットテクノ社は東レ系なので東レ社の新素材グラファイトを惜しげもなく投入します。

これにはT1100G等トレカの高弾性、高強度素材、パテントを持つ六軸組布、四軸組布と、

これでもかってくらいの豪華盛り!

特に六軸組布をダブルで積層するなどスイング中のシャフト軌道のコントロール性とミート率アップを担保しつつタングステンパウダーシートで重心をコントロールして振りやすく先が走って

・・・・・・・

とにかくエエシャフトに仕上がってるらしいですわ!

組上がったらあらためてアナウンス致しますので乞うご期待!

可変スリーブ式での調整を自前でやる、というウッド系クラブの調整

各メーカーさんから可変スリーブ式設計のクラブがたくさん出てます。

NORMALとかSTD(STANDERD)からLOWER方向に回すとロフトが減って(立って)球が低くなります、
HIGHER方向に回すとロフトが増えて球が高くなります。

という説明ですが、これ、基本原理を理解しないでポジションを変えると低く強い球が出るはずなのに高いスライス球しか出ない、

とか、球が上がりやすくなるはずなのに低いチーピン気味の球しか出ない、

ということが起きます(事実、当工房に来られるお客様は皆さんこれで悩んで相談に来られてます)。

この原理を先ず、ご説明します。
キーワードは「2つのロフト」。

ウッド系クラブ(ドライバー、FWウッド、ハイブリッド)は幅の広いボディで、言い換えれば広いソールを持っています。

ということはヘッドを地面と大よそ水平に置いてやれば一定の「座り」が出来ます。

この時、ソール(=地面)とフェイス角によって出来るロフトを「オリジナルロフト」(=ソール基準のロフト)と呼びます。

オリジナルロフトはヘッドが座った時にフェイス向きが開いていようが、スクエアであろうが、フックに被っていようが、そのロフトで同じです。

アドレスでフェイス向きがオープンだった時
そのフェイス向きのままでインパクトすれば打球はそのロフトなりに飛び出して右に出る(または右に曲がる)わけで、アドレスでオープンだったフェイス向きがインパクトでスクエアまで戻って打てたときに球は真っ直ぐ飛ぶわけです。

つまり、座りではオープンフェイスなものを座りを無視してソールのお尻側が持ち上がるようにシャフト(=グリップ)を少しだけ回してフェイスをスクエアにした時のロフト。これをリアルロフト(=シャフト軸線基準のロフト)と呼びます。

オープンフェイスに座っているヘッドを、シャフトを回してフェイススクエアまで持ってくるとロフトは立ちますね。
オープン度合いに関わらずオリジナルロフトは同じですから、オープン度合いが強ければ強いほどスクエアまで回してくる量が多い=ロフトが立つ。
という訳です。

つまり、スリーブの「LOWER」ポジションは言い換えれば「座りのフェイス向きを最もオープンにする」ポジション、という訳です。

HIGHERポジションはこの逆、はもうお分かりでしょう。

もうひとつ大切なこと。

上述の説明からお分かりのように、フェイス向きをさらにオープンにしつつリアルロフトは増やす。または、フェイス向きをクローズしながらリアルロフトは減らす。ということは物理的に無理だという事です。


可変スリーブ式は言い換えると、ネックに対してシャフトをどれだけ、どの向きに傾けて装着するか、ということに同意なわけです。

最近の作業事例です。

某地クラブメーカーのヘッドが付いた3Wの調整です。

標準的な身長で結構スイングパワーがありスキルレベルも90前後で回るという方ですが、

「良く飛ぶ。と評判のヘッドだが球が高いスライス球か、真っ直ぐだが上がらない球になる」とのこと。

お預かりした状態での事前計測は
ライ角56.2度
・・・3Wとしてはかなりフラット。掴まりにくい要素。
フェイス角オープン2.8度
・・・そりゃ掴まらんでしょ・・・。
オリジナルロフト16.0度/リアルロフト14.0度
・・・開いたままで当たれば結構なロフトでスライス回転だから高いスライス球、フェイスが被ってきて真っ直ぐ飛べばなかなか球は上げにくいロフトで当たってる。

この際、ドライバーに合わせてもう少し重い、流れの合うシャフトに替える、という事で、
現状よりライ角をアップライトにし、フェイス角をスクエア方向に戻し、リアルロフトを増やす。というミッションになりました。

現状ではネックのホーゼル内径とシャフトの外径との差(=ガタツキ)が非常に少ない。
ヘッドの素材は硬いチタン製。

ここで活躍するのが「ゴルフギャレーヂ製 超硬エンドミル」
チタンだろうが、タングステン合金だろうがサクサク削れます。

これでもってネックのホーゼル孔を削り、シャフトをアップライト方向かつフェイスクローズド方向に傾けて装着できるようにするわけです。

精密・正確にヘッドスペックを計測出来ればこそ、現状がこう、ネックをどの方向にどのくらい削ってどのくらいシャフトの装着向きを振れば求める数値になるのか、
という作業が可能になります。

ゴルフギャレーヂ製の「シャフト中心軸線基準で測れる計測器」が何軒の工房さんに納品されたものかは知りませんが、当工房を含めてそれらの工房さんは自信と誇りを持って仕事を提供されていると思います。

で、話を戻して、相当硬いチタン製ネックで、安全上あまりたくさんも削れませんでしたが、作業後のスペックは
ライ角56.7度
フェイス角オープン0.8度
リアルロフト15.2度

アドレスでスクエアに構えられて、適切な高さでまっすぐ飛ぶクラブ。というミッションはまず実現できたと思います。

実際のところ、少し削っては仮挿しして測り、また削っては測り、を数回繰り返して、ここまで持ってきたんです。

今回は「3Wなんとかしてくれ!」のご要望でしたが、3W&5Wなどのセットで組む場合はライ角、フェイス角、リアルロフトのピッチは出来るだけきっちり合ったセットで納品すべきですから、
①先ず、ねっくに真っ直ぐ仮挿しして計測し、現状を把握。
②その数値から、ライ角・リアルロフト・フェイス角の3要素をどれをどの位動かすか、を判断。
③ネック内径のガタツキを利用、またはネック内径切削でシャフト装着角を振って仮組で計測しながら仕上がり予定を判断。
④本組み立て。
というプロセスを踏んで出来るだけ「揃ったセット」に仕上げる作業をします。

もう一度言います。
正確に測れなければ不可能な作業ですが、正確に測れれば可能な作業、かのうなクラブ作りです。


「3Wて書いてあったら3W,15度て書いてあったら15度。多少の誤差は許容範囲ですわ。そこまで管理し切れません、そこまでして出荷出来ません、そのくらいの誤差、プロやあるまいし誰も分かりませんて。」

今は取引を止めたある有名地クラブブランドメーカーの社長から言われた言葉です。
この一言で、売れ筋の魅力あるブランドですが取り扱いを止めました。

実際、クラブのズレ、クラブの歪み、にミスショットをさせられている方がどんだけ多い事か!

自分のクラブを正確に知る。
自分に合ったクラブを正確に知り、自分に合ったクラブを使う。
自分に合ったクラブで正しいスイングを学ぶ。
自分に合ったクラブで正しい練習をする。

ゴルフ上達の王道を真っ直ぐ歩くにはこれしかないと、道具屋としては考えます。