クラブ職人の徒然草~2 -136ページ目

材料不足は続くけど

アメリカでのゴルフバブル、輸入品の通関渋滞、
いろんな原因が言われていますが、とにかく日本国内の様々なゴルフクラブ部品の不足状態はまだ続いています。
グリップのド定番のツアーベルベットラバーのバックライン無しなんて1年以上見てません。
その中でもアイアン用スチールシャフトのド定番ダイナミックゴールドは供給が随分スムースになって来ました。
代理店さん側での出荷時の検品と当方での入荷時の点検というW検品で品質管理してますが、大変良好です。
お陰様でS200のPITイシュー(振動数管理による振り分け)が3セット組めました。

練習器具を買う前に、新製品に飛びつく前に

ある女性に重さと硬度(しなり硬度計の数値と振動数)がほぼ同じだがしなり方が真逆、という2本のシャフトのドライバーでラウンドしてもらいました。

ひとつはフジクラのスピーダーエボリューション2-474-R2
もうひとつはツアーAD-SL4-RR1

エボ2は手元~中間までに張り感があって中間から先側がしなって走るタイプ。
ツアーADは手元側~中間は素直にしなって最もヘッドに近い部分はちょっとしっかりでヘッドのブレを抑制するタイプ。

単純な表現をすれば先調子タイプと中調子タイプ。

この二つのどちらの方が硬い、軟らかいと感じるかはかなり個人差があるようです。

切り返し前後のどのタイミングでシャフトのしなりを感じる人か、によるそうです。

この女性プレーヤーはツアーADのほうがしなりが少なく感じるとのこと。
因みに僕自身は全く逆で先調子タイプのシャフトは切り返しのタイミングが掴めません。

これまでの経験からシャフトを含めてクラブスペックのフィッティングにおいて男性が地上波アンテナ(ドンピシャの方向が有って、その前後のブレ幅が大きくなるに従って映像が悪くなる。が、一応は映る)だとしたら女性はBSアンテナ(極狭い範囲でのみ受信でき、ちょっとでも外れると全く映らない)というくらい女性のフィッティング許容範囲は少ないと思っています。

カーボンフェイスだぁ!ステルスだぁ!キャロだってローグだぁ!飛ぶ(らしい)ぞぉ!
の前に、シャフト大丈夫?長さ大丈夫?スイングバランス大丈夫?実測ロフト大丈夫?フェイスの向き大丈夫?

まともに打てる有益な武器になってもらうために、7万も8万もするようなくじ引きを引かぬために、気にすべき事柄は沢山あると思います。

もうひとつ(まだあるんかいな・・・)

巷に数多いパッティング練習器。真っ直ぐ引く練習だの、ごく狭いゲートを通す方向性の練習だの、様々な物があるようですが、

そもそもそれは「正しいパッティングストローク動作とその安定性」を身に付けるため。ですよね?

じゃあ、その練習器具を使うに際し今から使うあなたのそのパター、あなたにとって正しいアドレスが取れるセッティングですか?
正しいストロークが出来たら正しく真っ直ぐ転がるセッティングですか?

そもそもそこがナイガシロにされていたら、その高価な練習器でパッティング練習する意味ありますか?

皆さんオデ○○イとか、PI○Gとか、高価な市販ブランドのパターを購入され、そのまま何のチェックもせずに使っておられるケースが非常に多いですが、

①量販ショップのパター売り場に並んでいるパターを見てグリップが真っ直ぐフェイスに対してスクエアに装着されているパターを見つけることの方が少ないです。

②2元曲がりのシャフトが装着されているパターでシャフトが不自然なプル角無くスクエアに装着されているパターを見つけることの方が少ないです。

開くクセがある、引っ掻くクセがある、押し出すクセがある、と言われ続けてそういうパッティングばっかりで悩んでいた方々のグリップをスクエアに挿してあげるだけで、シャフトをスクエアに挿し直してあげるだけで解消できた例は枚挙にいとまなしです。

③長さが合っていないためにボールが適正な位置にあるアドレスが出来ず、ヘッドのストローク軌道が不安定になっているケースも結構多いです。

短すぎるとアドレスでは球の位置が体に近くなり、眉~目の真下より内側でパッティングラインを見ることになります。

このケース、押し出しやすくなったり長いパットの距離感が出なかったりという症状が多いです。

逆に長すぎるとパッティングラインから離れてアドレスし、見ることになります。

このケース、パッティングストロークのヘッド軌道が直線性を欠いて円弧軌道が強くなるのでフェイス向きの変化量が大きくなりインパクトが開いて当たる、被って当たるの両方のブレが出ます。

④ライ角が合っていない(③のケースに依る場合もあります)ために押し出す、引っ掻く、ダフル、というミスヒットになっているのも多くみられます。

パターにはヘッドタイプによりますが2度~4度のロフトがあります。

ということはライ角がフラット過ぎれば押し出し傾向に。アップライト過ぎれば引っ掻き傾向になります。

また、(これはアイアンでも同じですが)ライ角が合っていない場合、ソールのトゥ側、ヒール側、どちらかの「点」で接地した状態のアドレスからストロークするのでダフりやすくなります。

トゥ側、ヒール側どちらかが浮いた状態で構えているという事は当然ボールを打とうとしているフェイス中心も地面から浮いていることになります。

だったらトップ気味のインパクトになる?ところが打つ人の感覚はフェイスの中心(スイートスポット)にフォーカスされているので地面にあるボールとフェイス中心をコンタクトさせようとするとフェイス中心が地面レベルを通ろうとするのでその分トゥかヒールの下がっている方がダフルわけです。

じゃあ、ライ角の不整合が何度あるとそういう不具合が発生するの?

当工房のこれまでのフィッティング事例から0.5度ずれているとアイアンは明らかにインパクトが厚め(ダフり気味)になって球は曲がります。

パターも0.5度の不整合があるとスクエアな綺麗なインパクトにならず球はよじれます。インパクトの音からして違いますよ。

クラブに対して僕と同じ考え方、僕以上の技術を持ってクラブのフィッティング、調整をしてくれる店が僕の師匠店は言うまでもなく、同門の仲間が名古屋~山口まで10店舗あります。

愛知県日進市に1軒、京都府木津市に1軒、三重県伊賀市に1軒、枚方市に1軒、大阪市内に師匠店、当店含めて4軒、姫路市に1軒、岡山市に1軒、広島県福山市に1軒、山口市に1軒。

詳しくは当店HPのLINKご参照ください。

そして近くのお店で是非パターのチェックしてもらってください。

練習器具を買うのはそれからですよ。

喫茶ピッコロの想い出

60歳過ぎてジジィになったせいなのか

時々若い時のことを不意に思い出すときがあります。

学生時代だったり、新入社員でとんがりまくってた頃だったり、色々ですが

表題は丁度高校3年生の受験生時代から大学2年生の3年間。


大阪と和歌山を繋ぐJR阪和線の堺市駅。
その駅前のパチンコ屋の地下が食堂街になっており、そこに喫茶ピッコロがあった。

僕たちが崇敬の念を込めて「P兄」と呼ぶマスターは丁度僕たちの10歳年上。

P兄が大学に入った頃は学生運動の真っただ中で、彼はその最重要リーダーの一人だったそうだ。
その頃は自分の名前を知らぬ運動家はいなかったとか。

僕たちが受験を控えた高3のその年、P兄は医師になる。そのためには京大医学部しかない。と心に決めて再び受験生になった。

その、ある意味同志的立場にありつつも十分すぎるほどの社会経験を積み、しかも超明晰な頭脳と豊富な知識、深い見識を持つP兄は羨望と憧憬の対象だった。

僕たちが大学2年になる年だったと思う、受験3回目にしてP兄は遂に念願の京大入学を果たした。

その春の頃だったか、時系列は記憶が定かではないが、常連の一人を自認する僕はピッコロ店内である失敗をした。

筋の通らぬこと、自らの信条に沿わぬことが大嫌いのP兄から自分の行動をひどく叱責され、その弁償をして僕のピッコロ通いは終わった。

店には(玉置浩二のメロディではないが)常連とP兄が思い思いに綴るノートがあり、僕をその店に導いた友人からは
「P兄が書いた記事は多分オマエのことやで。兄ちゃんもう怒ってへんで。むしろ帰ってこいて言うてんのとちゃうか。」と聞かされたがP兄から「そのような人物」だと思われた自分はもう合す顔は無いと思っていた。

その後、その地下街は無くなり僕も大学卒業後JR堺市駅を利用することはほとんど無くなったし、その友達も若くして亡くなり、他の常連とも付き合いは無かったのでP兄がその後どのような人生を歩まれたのか全く分からないし、その存在すら忘却の彼方にあった。

何故40数年も前のこんなことを思い出したのか分からないけど、現代のユビキタス社会は便利なものだ。

ネットでその名前とキーワードを検索すると

いた。逢えた。2017年刊行の1冊の本。
「やればできるもんやなぁ 京大医学部に入ろう」
著者:山本紳一
表紙に本人の写真が大きく出ており、その目は紛れもなくP兄。
産婦人科医として歴々たるご活躍をされてきた様子が著者プロフィールから読み取れる。

髪の毛は、髪型は当時のまま長いザンバラだが真っ白。刊行時は68歳だからなぁ。

ただ、ちょっと待って。京大を背にしてこちらに向かってちょっと背をかがめてニッコリ笑いかけて手を振っているその表紙写真。

兄ちゃん、

そ、そんなキャラやったっけ?