ジュニアゴルファーのクラブ | クラブ職人の徒然草~2

ジュニアゴルファーのクラブ

ゴルフクラブの14本のセットとしての整合性の大切さ、ということをいつも念頭に置き、お客様方にもお話をさせていただいています。

分かりやすくアイアンセットを例にとりますと、
3番からPWまで、長さは0.5”ピッチで短くなり、ロフトは3~5度のピッチで増えて行き、ヘッド重量はおおよそ7~8gピッチで重くなり、シャフト硬度は少しずつ(振動数で言えば5~7cpm)硬くなる。

という与件の下で、
全部の番手がおおよそ同じフィーリング、同じタイミングで打てて、おおよそ均一なピッチで飛距離差が出て、同じ球筋になる。

という条件を満たそうとすれば、
ライ角は0.5度ピッチで増えていき、スイングバランス(ヘッドの利き具合)は少しずつ増えてゆき、クラブ重量はおおよそ7~8gピッチで重くなる。
という状態に組み立てられていて然るべきだろうと考えます。

アイアンをセットで考える時に最も重要なポイントはライ角、スイングバランス
だと考えています。

ライ角のピッチのズレは球筋に直接的に影響しますし、単に右に曲がる、左に曲がるという話だけでなく、ライ角が狂っているためにダフらされるという現象まで起きます。

また、一番端っこにヘッドという一番重いパーツがあり、反対側の端っこを握ってタイミング良くヘッドをボールに振り下ろして当てる道具=クラブですからヘッドの利き具合がバラバラということはそのタイミングがバラつくことを意味します。

ロフトのピッチが狂っていれば飛距離のピッチも均一になりません。

全ての番手を正しいスイングで打てば右に曲がる番手と左に曲がる番手と、トップする番手とダフる番手と、番手通りに飛ぶ番手と飛ばない番手とやたら飛び過ぎる番手が1つのセットの中に混在しているのに

全ての番手で真っ直ぐ、確実なミートで、均一な距離が出るように、打つ練習をする。

これが98%以上のゴルファーが置かれている現実です。

何故98%か?2%未満のゴルファーは工房にクラブを持ちこんで調整を受ける方だからです。

このことはアイアンセットのみならず1W~7Wのウッドクラブのセットという観点に置き換えても同じことが言えます。

クラブに於けるマイナス点、危険な要素はまだまだ書き切れないくらいありますが・・・

こういうクラブで練習量が多く試合数も多いジュニアゴルファーが、未だ未完成な肉体で練習をしたら、

自分が持っているクラブの各番手を各番手ごとに真っ直ぐダフらずに飛ばすことが上手になるだけでスイング自体が向上したりラウンドスキルが向上したりする「根本的上達」に繋がらないどころか、その感覚と肉体(関節や筋肉)に余計な負荷をかけ狂わせてしまいかねません。

今、4人の高校生ゴルファーが当工房に来てくれていますが、逞しい中にも柔らかさと同時に脆さを感じます。

折角10代で始められたゴルフがもっと上手になってもっと好きになって、もっと人生を豊かにしてくれる一生の宝物にしてほしい。

思い出が、生涯の友が、人生の礎が沢山作られるかけがえのない3年間を悔いなく駆け切ってほしい。

このオジサンの願いはそれだけなんですよ。