今は亡き、
大山康晴という
将棋の大名人がおりました。
60歳すぎても第一線で活躍し続け、
現役のまま病没されましたが、
まさに鉄人でした。
その人が、
30歳すぎたころ、
後援者にゴルフを教わり、
ついにコースデビューを果たした後で
ポツリとひとこと。
『こんな面白いもの、将棋に良いはずがない』
それを最後に、50歳すぎまで、
ゴルフはやらなかった
とのこと。
長きにわたり、
将棋界に君臨した大山15世名人でしたが、
ある若者にだけは、
なぜか、相性が悪く、
その若者にだけ、次々とタイトルを
奪われていきました。
でも、そこは大名人。
タイトルを奪われても、翌年には
他の棋士を打ち負かして
挑戦者として戻ってきます。
しかし、その若者だけには
なぜか勝てない。
将棋界の不思議、と言われていました。
その若者こそが、
谷川浩司や羽生善治が現れるまで
一時代を築いた16世名人（永世十段）の
中原誠さんでした。
中原氏が、30歳後半で一時期、不調をかこったところ、
大山15世名人は、
「ゴルフをやるからだ。月に1回でもだめだ」
と一刀両断。
それを伝え聞いた中原さんは
「あの人とは、生き方が違う。私にはわたしの生き方がある」
と言ったとか。
いずれにしても、
ゴルフをやる、やらない
が、
生き方の話にまでなるほど、
ゴルフって面白いってことですよね。
