「ボールの基礎」
現代のボールは中心のコア(芯)と外側のカバー層、そしてその2つの間にある中間層(ミッドコア層等)で構成されるものが多くこれを「3ピースボール」と呼びます。
4ピースボールは中間層が2層のボール、中間層のないコアとカバーだけのボールが2ピースボールとなります。
効果は様々ですが、2ピースボールが10年程前にメジャーとなり、更なる飛距離性能・打感・スピン性能を狙って誕生したものが3・4ピースボールとなります。
3.4ピースボールは2ピースボールよりも当然高価であり性能も上と考えて差しつかえありません。
「ディンプルとは」
ボールの表面にあるクレーター状の部分のことです。
ゴルフボールの歴史は19世紀中頃にゴムを原料とした「ガッタパーチャーボール」
というものが世に生まれ今の祖と考えていいと思います。
それからしばらくは表面がツルツルなボールであったが、表面がツルツルなボールより傷ついたボールの方がよく飛ぶことからディンプルは生まれました。
難しい話は省きますが、ディンプルの効果はゴルフボールにはなければならないもので、
空気の抵抗・重力・揚力などを効率良く飛びに変えてくれていると考えて下さい。
一般的にディンプルが大きく、深く、数が多いほど弾道は低くなる傾向にあります。
ディンプルの数は300~420程度までが多く存在し、330前後が主流です。
「ボールコンプレッションとは」
ゴルフボールの硬さを表す言葉。
ボールを2.5ミリ潰すのに何キロの力を必要とするのかという数字です。
コンプレッション90であれば、2.5ミリ潰すのに90キロ必要とするということです。
当然、潰すのに必要な力が(数字が)低ければ柔らかいボールとなり、高ければ硬いボールということになります。
メーカーによっては潰す量が違ったり、測定器の違いによって、数字を比較すると違ってくる場合もあります。2ミリしか潰さなければそれだけ小さな力で済む為、柔らかいボールということになってしまいます。(店頭では全て同じレベルで比較するしかありません)
また、素材や構造の複雑化によりコンプレッションが低い数字でも柔らかい、高いと
硬いとは言えなくなってきていますが、依然ボール選びの基準となる数字であることは
変わりません。
「ボールの適正」
ボール選びはどのように行えばよいのでしょうか?
コンプレッションが高いボールは中心のコア(芯)が硬いということで、コアが硬いと高反発、すなわちボールの初速が速くなり、スピン量は増えます。いわゆるプロ用ボールは皆この系統の設計です。(代表例 タイトリストプロV1シリーズ・ブリヂストンX-01シリーズ・ダンロップ スリクソンシリーズ)
ボールを打つ衝撃が強いプレイヤー(ヘッドスピードが早い人・プロ等)はある程度ボールに硬さを持たせ、ボールの潰れ過ぎを防止して、適正な飛距離を得られるように設計しているわけです。
反対にコアが柔らかいとどうなるでしょう。
硬度を下げて設計すると1番ウッド(ドライバー)での打感が柔らかく感じるようになり、スピン量が減ります。
いわゆる一般ゴルファー(ヘッドスピードが普通~低い・アベレージゴルファー)へはこの方がボールが適正に潰れ、フィーリングもよく、スピンも減ってドライバーでの飛距離が出やすくなるのです。
この、我々ゴルファーが感じるボールの硬さは、グリーンに近づくにつれて、段々ゆっくりと打つようになる為、関係が逆転します。
50ヤード内程度のショット(アプローチショット・グリーン上でのパッティングショット)であれば、ほとんど表面のカバーの影響しか受けません。
ボールへの衝撃が減り、ボールが潰れにくくなくなった為です。
プロ用のボールは、カバーを柔らかく設計してありますから(ウレタンカバーが代表的)
ある程度打感も柔らかくソフトに感じるようになります。微妙なタッチを要求するプロ・上級者の要求に答えているわけです。ティーグラウンドからグリーンに近づくにつれて打感が柔らかく感じるボールが、プロ・上級(ヘッドスピードが速い)ゴルファー向きです。
アマ用(一般ゴルファー)のコンプレッションが低いボールの場合は、もともとコアが柔らかい為反発力は少ないですから、それを補う意味もあってカバーは硬めに設計される傾向にあります。
ドライバーショットでは力の不足を補って飛距離が出るようにコンプレッションを低くし、柔らかいとスピンが掛からないので、ミッドコアで打感やスピン量を調節しているボールが、一般ゴルファー向けのハイテクボールです。
スピン量 | ボール初速 | 弾道傾向 | |
コンプレッション(コア)が硬い | 増 | 増 | 高 |
コンプレッション(コア)が柔らかい | 減 | 減 | 低 |
(あくまで基本の考え方)
各メーカーは上記の基本的な部分をふまえて、飛距離アップに繋がるようなコアやミッド層の開発、カバーやディンプルの改良・工夫を行い各メーカーの「個性」を獲得している
わけです。
現代のゴルフクラブ事情では今後大きく飛距離を伸ばすクラブは生まれづらくなります.
チタンを採用した当時のような画期的な素材の投入がないからと、ルールによる規制が厳格になったからです。
ボール選びは2000年以降大変重要なファクターとなり、今現在は大きなアドバンテージをプレーヤーに与えています。
今後はクラブ選び以上にボール選びをおろそかにすると大変な損をするはめになります。
安いからと古いボールを買ったり、ゴルフコースでプレイ中、冬の間埋もれていたボールを「拾い喰い」したりしていませんか?
ボールは安くても、なるべく新しく開発されたもの、そして状態の良いもの、自分のパワー・技量に合わせたボールにしておきたいものです。

