今日はくだらない話です。
この間ガーナに行った時、夜カンファレンスが始まるのを待っているときに、ふと、それぞれの国での外科医(脊椎外科医)の収入と生活などの雑談になりました。
アメリカでは脊椎外科医はかなりの高収入です。独立していれば最低5000万円以上の年収、多くの場合には数億円から10億円上の年収が見込めます。これは保険制度の違いで、アメリカでは医者は若くて経験がない時には州の病院などの公的機関に勤めて、すべての民間保険(アメリカには国民健康保険はないです。)を受け入れ、一生懸命治療に取り組み、いつか有名になり、独立して自分のオフィスを持つのが夢です。
そうなれば、保険以外の診療を行ったり、手術の費用を高くしたり(アメリカでは患者さんは病院に入院費などを払い、外科医に手術料を払います。日本では医者は手術をたくさんしても手術料として収入を得ることはできません。)して高収入が約束されているのです。アメリカという社会は非常にわかりやすくて、どの職業についても大成功すれば、かなり高額の収入を得ることができます。銀行員でもメジャーリーガーでも、弁護士でも医者でも商売人でも同じです。みんなトップになれば何十億円を稼ぎます。一方前回のガーナトリップに参加したヨーロッパ系の外科医たちはスペインやトルコ、ギリシャなどから来ていたのですが、ほとんどは日本と同じくらいでした。これは保険制度が日本と似通っている部分があるからのようです。しかし、多くの成功した外科医たちはアメリカと同じように、保険外診療をして収入を得ているようでした。なかには治療費が一切無料という国もありました。いっけん患者さんにもいいようですが、実際にはMRIの予約の6カ月待ちだとか、手術を受けるのに2年まちだという具合になっていて(タダだからみんな検査や手術を希望するようです。)、適正なタイミングで手術や検査を受けるためには、多くの場合自費を払わねばならないようです。
日本では、現状ではそこまで患者さんが待つということはないですよね。
しかし、世界一社会が高齢化しており、労働人口も減少の一途をたどっているわけですから、現状のシステムを存続させ続けることは極めて困難ですよね。今は過渡期なんでしょうか?現状や、これからの人口構成で全員がハッピーになる現実的な解決方法はあまり思い浮かびませんが、なんとか適正なタイミングで適正な医療が適正な価格で受けられる社会を実現してほしいと思います。
では。