また、数か月ぶりにDr. Boachieと手術することができて、たくさん収穫もあり、また一緒に手術ができたこと自体を自分でも驚くほどうれしく感じました。彼は本当に祖国のことや、アフリカ中の子どもたちのこと、チームのことを思っていて、朝一番に病院に行き、すべての手術の最も困難な瞬間に必ずその手術に入り、チームのメンバーを助けてくれます。それでいて、とても穏やかで、私のように、みな一緒にいるだけで幸せそうにしています。私は外科医としても人間としても一生Dr. Boachieの足元にも及ばないと思いますが、そのような偉大な人と一緒に過ごせて、夢を共有できることをなにより幸せに感じます。

彼との出会いは2009年の秋でした。私は彼のfellowとして、脊柱の変形の診察、診断、手術を含めた治療を学びました。そのころ私は脊椎を専門としていましたが、その中で脊柱の変形という分野を自分の専門領域とするかどうか、まだ迷っていました。脊椎の疾患の多くは加齢による変性というものが脊椎に起こり、その結果、痛みは歩行の障害、麻痺といったものが起こります。このような一般的な脊椎の疾患と比較して、脊柱変形の手術は背中の広範囲を手術するので、合併症も多く、頭では、放置すれば死につながることがあることはわかっていましたが、本当に自分で脊柱変形の手術を行っていくべきなのか迷っていました。しかし、Dr.Boachieが僕をGhanaに連れて行ってくださり、そこで僕が見たものは、ほうっておけば確実に死にいたる子どもたちの極度に変形した脊椎の超困難な手術を私費を投じて、あるいはボランティアで行うDr. Boachieとそのチームの姿でした。
(続く)


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