一緒にプレーするのは2度目のAさん。










自己流でがんがん飛ばし


アプローチもパットも上手い。





よく練習もされている


ゴルフ暦3年で80台を出している飛ばし屋さん。









たいしたもんだ。




独学で。


わずか3年で。











そんな彼が


別人のようなプレーぶりになっていた。








ドライバーはめちゃくちゃで


セカンドもまともに当たらない。










アプローチはシャンク。



当然パットも入らない。











「この1ヶ月100切れないんです・・・」







どうやら左肩を痛めたらしく




ごまかしごまかしゴルフを続けていたら


どんどんスイングがおかしくなったと。










2ホール終わり



聞いてみた。










怖いんですか?













「はい・・・まともに当たる気がしなくて・・・」














指導者としての分析をストレートに伝えた。






一番の原因は痛めて無理をしたこと。




休んでちゃんと治せば


ここまでひどくはならなかったはず。





痛めた肩が何かを変えたのだろうと思う。









怖いのはスコアを求めるから。


結果を恐れるから怖いだけ。










肩を痛めたからじゃない。












この1ヶ月は




肩を痛めたことによるスイングの変化が原因だと自己分析し


ドライバーも封印してプレーしていたらしい。










いるいる。



そういう人達。
















ぜんぜん違うのに。













ドライバーは右手一本で


真上から叩き込み引っ掛けテンプラ。





セカンドも似たようなスイング。









共通しいるのは


まったく振れていないこと。







ガツッ!と打って終わり。


フォローがまったく出ていない。













結果が怖くなってしまったゴルファーの典型的諸症状。













3番のティーで提案した。










「今日一日リハビリしませんか?」















たったその一言で彼の目の色が


パーーーーッと明るくなった。






「どうすればいいんですか?」













もう



恐怖症は半分治ったようなもんだ(笑












「これからは結果を考えず


左手一本でしっかり振り切ることだけに集中して下さい」









たったそれだけで


ドライバーはちゃんとフェアウェイに。







ダフりテンプラのセカンドも


見違えるようなショットに。







一瞬で別人のように



たった一言で元の自分を取り戻しはじめた。











もっと振って大丈夫。



まだまだ振れる。



右手で打たないで。










そんなアドバイスを繰り返すだけのリハビリラウンドは


彼の心を楽にさせるのに十分な時間だったに違いない。














386yの


左ドッグレッグのミドル。








やや打ち下ろし。








ティーに立って感じた。


ここはキーホールだと。













なにせ初コース。


縦の距離が難しい。





曲がってからどうなっているのかも見えない。


セカンド以降の距離も高低差もわからない。










左からのフォローは


フェードを打つ私にとっては難易度が上がるホールだ。










残りもあと3ホール。



彼にもう一押ししたかった。







安全なマネジメントなら


見える位置にきっちり運ぶだけでいい。






曲がり角まで運べばセカンドは十分狙える。



通常なら4Wで十分だろうと感じた。









でも





恐怖心に支配されてしまった彼の心は


リハビリだけじゃ追いつかない。











よし。




狙うか。











「左の林の上をショートカットします」




あえて公開マネジメント。










痛みも限界だったけれど


あと一発ぐらいならなんとかなるかな。
















「思い切りよく振る」






言葉にすれば簡単なこと。





昨日今日クラブを握った初心者でも


万年アベレージだってそれくらいのことは誰でも言える。








誰でも言えるアドバイス。









でも




それをコースで実践することが容易ではないこと


正しく知っている人は本当に少ない。






それができれば誰も苦労はしないこと


正しく理解してアドバイスできる人は限られている。









結果を出すためにコースに出ているのに


結果を求めないという矛盾は





優秀な脳には通用しないから。













自分で示すことが一番だ。







口だけじゃなく


それを実践して見せること。









勇気を見せることが一番大事。















思い切って左に


林に向かってアライメントし











満振り。















ねらい目よりやや右に出てしまい


軽いフェードで戻ってきたので






結果はショートカットとまでは言えないものだったが(笑








振り切れたから


ショットは決して悪くはなかった。









突き抜ける寸前のフェアウェイでぎりぎり止まってくれた。














私が示したかったのは2つ。






縦の距離を測る感覚を養うこと。


GPSを使わずに自力で読めるようになること。






狙い目はそれによって決まる。


マネジメントはそこで決まる。












そして









勇気。








決めたら迷わない。



決めたら考えない。










私はドライバーが上手いから勇気があるのではない。



結果が怖くないからドライバーが狙ったところに行くだけのこと。











もちろんそのための努力はいっぱいしてきたし


それが裏づけになっているのは間違いない。











その努力も含め




結局、最後はメンタルが結果を決める。













狭いホールのドライバーしかり



4mのイーグルパットしかり



1mのパーパットしかり。






近い距離を思い切って振る


バンカーショットしかり。














「同じようにぎりぎりを狙ってみませんか?」







彼を挑発した。









リハビリのおかげで


もうだいぶ振れるようになっていたから。







しっかり振れて


ほぼ私と同じ弾道で10y手前のベストポジションへ。














ナイストライ!!





「ありがとうございます!!」


















チーピンやどスライスに苦しみ


ドライバーを封印してしまう人は本当に多い。





もちろんその原因は技術的な問題が必ずある。


課題を持つことは常に必要だ。











でも





ウェッジで上手く打てないからパターでアプローチするとか


アイアンのシャンクが怖いからハイブリッドでごまかすとか






そういうゴルフを一度やってしまうと










「逃げ癖」がこびりついてしまう。










練習だけではどうにも乗り越えられないものがゴルフにはある。



一度ついた恐怖心を取り除くにはスイングを直すより難しい。














強烈な癖があるスイング。


開きながら極端なインに上げるという癖が。





シャンクの原因であり


チーピンやプッシュアウトの最大の原因。









それを修正すべきかどうかは自分で決めればいい。







修正したいならどうすればいいか


矯正の手段だけは伝えておいた。






このブログで何度も書いてきた





50yで後ろに目印を置き


目印よりアウトに上げるトレーニングだ。





そして客観視。


動画を撮影してイメージと現実のギャップを埋めること。






「アウトに上げたつもり」が一番だめ。










癖の矯正は小さい動きから。



スイング作りの基礎の基礎。











何年もかかるとはっきり伝えておいた。



そこが一番大事なこと。











50yから。



50yで直らなければ100yも200yも無理だ。








時間をかけてやるべきこと。






今日の明日


スコアにつなげられる部分ではない。













今やるべきことがある。



今コースでやるべきことがある。












結果を欲しがらないで下さい。





結果を求めたい気持ちから


恐怖心が芽生えてしまいます。






まずはゴルフを楽しめるよう


まずはゴルフを恐れぬよう







振り切ること



結果に落胆しないこと



ゴルフを楽しむことからリスタートして下さい。














「久しぶりに楽しいゴルフができました」









よかったよかった。

















一度逃げてしまうと


逃げることが当たり前になってしまう。





そこに言い訳を取り繕って


逃げている弱い自分を誤魔化すようになってしまう。








いっぱい見てきたから。



そういう万年アベレージを。












自分を貫くことは大事だけれど





自分を誤魔化してしまうと必ずいつか


自分で自分を傷つけてしまうことになる。











逃げ癖だけは付けるな。











アマチュアゴルファーが



スコアで失うものなんて何もない。










調子を落としたら



思い切りと振り切りのチェックを。








もちろん練習場で振れたってなんの意味もない。








同伴者に見てもらおう。



しっかり振れているかどうかを。

















ゴルフはメンタル。








古くから


一流ゴルファーの誰もが口を揃えて言うその言葉に






偽りはない。














アマチュアの浅知恵や持論なんて



所詮は未熟なレベルの自己主張。












経験深き者たちの言葉にちゃんと耳を傾けよう。








心技体。



まずは心から。




































逃げちゃだめだ。