先日
生徒さんの後輩さんにアドバイスを求められる機会があった。
HDCP14
”まもなく上級者”のレベル。
自己流で20年やってきたと。
お悩みは
スコアは80台で安定してきたが
それ以上のスコアが出ないと。
よく練習場でお会いする方なので
練習は一生懸命だし
競技にも参加されているとのことなので
上級者への条件は十分揃っている。
70台を出せない原因を伺ってみたら
ドライバーのスライスと
ちょこっとアプローチだと自己分析されていた。
スイングはいかにも自己流。
決して人が真似できるようなスイングでもなければ
お世辞にも綺麗なスイングとは呼べない。
しかし
それでもアベレージ80台は出せるのもゴルフの本質。
ゴルフ仲間にいろいろアドバイスをもらっているが
70台の壁はなかなか越えられないというのが
目下の悩みらしい。
今のスイングを変えれば
70台になると思ったら大間違い。
20年で培った経験のすべてが
そのスイングには詰まっている。
インパクトさえ理に適っていれば
そこまでに至る経緯や
フィニッシュの形など
他人がとやかく言うものじゃない。
私が責任を負えない部分に対して
私がアドバイスしてはいけない。
私が
アドバイスする上で一番大事にしていること。
他人がブログに載せた動画に
安易にアドバイスをコメントするアベレージゴルファーは後を絶たないが
本当に無責任だ。
アベレージゴルファーの考え方やアドバイスは
アベレージの出すスコアのためのアドバイスであること
本人はまったく気付いていない。
その考えが
たとえ超一流と同じであっても
90~100のレベルが言う言葉と
70台、60台でプレーしているゴルファーの言葉とでは
比較するに値しないほどの
かけ離れた差があるし
その重みに差がありすぎる。
アベレージゴルファーは
それを同じものだと勘違いしている。
言いたがる。
自慢したがる。
自分の考えや取り組みを。
それができていたら
お前はとっくにシングルだろうに(笑
ゴルフ仲間のアドバイスは貴重だ。
それは間違いない。
しかし
スイングを見たぐらいで
その人の実力など計れない。
求められたことに対しては
自分の意見を言えばいい。
しかし
アベレージゴルファーがアドバイスを求められる機会は
本来
相手が初心者の場合であることが殆なはず。
頼まれてもいないのにしゃしゃり出る
アベレージゴルファーのアドバイスの
自分より実力ある人に対して
しゃしゃり出るアドバイスの
9割9分9厘は
ただの教え魔。
聞くに堪えない内容がすべてといっても過言じゃない。
本当にゴルフを知っている人は
安易に出しゃばらない。
アドバイスを受けるのなら
そういうゴルファーから受けよう。
そして
その人を師としよう。
継続してアドバイスを受けよう。
一度っきりで伝えられるものな何もない。
一度っきりで受け取れるものなど何もない。
それくらいの気持ちで受けよう。
お願いしよう。
アドバイスを。
知っているから。
安易にアドバイスしない人は
アドバイスそのものが無力で危険なことかを。
だから上級者は
自己主張やアドバイスを極力控えるのだ。
アドバイスを求める側も
安易に聞かないこと。
ブログを利用して
不特定多数からアドバイスを求めるような人も少なくないが
そういう人も
所詮は将来の教え魔予備軍。
聞きたがりも
つまりはアベレージの典型だ。
私がその後輩さんにアドバイスしたことは
ひとつだけ。
ちょこっとアプローチで
私が指導してきた大事な部分。
後輩さんは言っていた。
「パターのように打てばいいんだよ」とアドバイスを
同伴者から受けた経験があると。
そのアドバイスはとても適切だと思うが
それだけじゃ足りない。
じゃあ
パターうちってどういうものか?
それは以前書いたのでここでは割愛するが(笑
ロフトのあるウェッジを握って
パターと同じようにゆっくり柔らかく振れる人は
本物のシングル。
考え方や打ち方だけじゃ
コースでそれを再現することは絶対にできない。
多くの失敗を経験し
様々な努力を積み重ねて
コースでやっと
それをできるようになる。
すぐそこのピンに
ロフトのあるウェッジでそっと球を運ぶことは非常に難しい。
「パター打ち」というアドバイスひとつで
その悩みが解消できれば誰も苦労はしない。
「先生の球は死んでいますよね・・・」
そう。
殺しているから。
刃で打ってトップさせても
距離が合うように打つことを心がけているから。
よくある
「ヒールを浮かせる」というパター打ちのアドバイス。
死に球の打ち方の一種でもある。
しかし
私はあまり使わないし
その構え自体があまり好きじゃない(笑
5y10yならそれでもいいが
「私のパター打ち」は
20yでも30yでも使いたいから。
だいたい
パターでヒールを浮かせていない私は
それは決してパターうちじゃない(笑
私もまだまだ未熟だが
それをしっかり指導させてもらうと
初心者でも短い期間で上達する姿をこの目で確認してきたし
私のゴルフでも
きっちり寄せられたり
チップインもできているという
私の中での「実績のある打ち方」として
「ヒールを浮かせないパター打ち」を
後輩さんにアドバイスさせてもらった。
「刃で打つようにしています」と。
えっ?
トップさせるの?
と
最初は驚いていたが(笑
すぐに
スーッと彼の脳に入ってようだった。
「スコアラインの1本目~2本目の間で球を拾う感じです」
という言葉で。
構えやグリップ
振り方や打ち方を
軌道を
スイングや
動画を見ただけで
すぐにアドバイスしたがる人は腐るほどいる。
昨日今日クラブを握った初心者ならいざ知らず
20年もゴルフを続けている人に
アベレージが持論を展開するなど
愚の骨頂だ。
そんなやつの殆どは
大した腕じゃないことが
実に可笑しい(笑
1年ゴルフをやるだけでも
グリップひとつ
ポスチャーひとつ
アライメントひとつ変えることすら
どれだけ大変なことかを知らない。
20年かけて作ったスイングを変えるには
60年かかると思え。
決して暴論だとは思わない。
変えるのはスイングじゃない。
イメージや意識。
20年でHDCP14の人のスイングを
安易なアドバイスで変えることは絶対に無理。
私がつきっきりで指導して
恐らく3年~5年は要するだろう。
それがゴルフだ。
アプローチひとつとっても同じ。
打ち方を変えるのではなく
イメージを変えてもらうこと。
そのイメージでもダメなら
それは私のアドバイスが彼にとっては必要なかったということ。
いつでも変えられるもの。
私がアドバイスできるのはそこまでだ。
あとは使用クラブ。
私は極力
ロフトが寝たクラブはパター打ちしない。
58度でパター打ちなんて
難易度が高すぎる。
それが必要だと思った時は使うが
それは最終手段。
通常のアプローチと同じ。
パター打ちできる状況というのは
基本的に
高さを必要としない状況でもある。
8鉄~PWが主体。
イメージと
ジャッジ(クラブ選択)。
どちらも
いつでも変えられるものだ。
自分に合わないならやらなきゃいい。
こうしたほうがいいとか
こうであるべきだとかこうすべきだとか
こうしなきゃダメだとかいう人は
ゴルフを知らない人。
自分のゴルフは他人にも当てはまると
大きな大きな勘違いをしている。
そのアドバイスで彼が上達するとは思っていない。
死に球を打てるようになるには
相応の練習量とコースでの実践が欠かせない。
パター以外のクラブで
パターのように
パンチを入れない打ち方を覚えるためには
かなりの努力が必要だ。
アプローチが難しい最大の理由でもある。
パターですら
パンチが入っちゃうんだから(笑
ロフトがあるクラブでそれをイメージするのは
非常にレベルが高いことだと私は考えている。
目からうろこだったのなら
・自宅で練習すること
・練習場でも必ずやること
・コースで何度も何度もチャレンジすること
打ち方やイメージなんて
アドバイスのうちに入らない。
そんなもので上達できたら
この世の中にアベレージゴルファーなど存在していないはず。
それを習得するために
「どれだけの努力が必要か?」
そこが主体であって
打ち方やイメージなどは所詮
星の数ほどある
”手段の一部”でしかない。
アベレージは
その手段ばかりを欲しがり
与えたがる。
的外れだ。
何千発
何万発
練習すること。
そしてコースでどんどんチャレンジすること。
失敗を恐れず。
スコアを欲しがらず。
できるようになるまで
やること。
「この打ち方を習得したいのなら
それくらいのことは当たり前のようにやって下さい」
それだけが
私からの
”アドバイス”です。