おとといの日曜日。




3日間続いた高熱による


激しい全身痛に苦しみ





眠ることもままならなかった早朝。





暗い寝室を明るくするためにつけたTVでは


UEFA CL(チャンピオンズリーグ)の決勝戦が。




ドイツの古豪 バイエルン・ミュンヘンと


フランス イングランドの名門(失礼w) チェルシーによる




それはそれは名勝負だった。







ホームのバイエルンが先制し





1点ビハインドのチェルシーは




コーナーキックから


スーパーエース ドログバの素晴らしいヘッドで同点に。




ドログバのヘディングシュートなんて見たの初めてかも(笑






勝負は延長戦でも決着がつかずPK戦へ。











忘れもしない4年前のCL決勝。




イングランドのマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーの戦いは





同じようにPK戦までもつれ込んだ。






ドログバは試合中にマンUのディフェンダーに平手打ちをして



一発退場を受けてしまい








当然PKで蹴ることはできない。









ドログバの代わりに蹴ったジョン・テリーは


なんと足を滑らせてしまい失敗。








アネルカも外し




チェルシーにとって


のどから手が出るほど欲しかった初めての栄冠は消えた。










戦犯のひとりとなったドログバは






4年後



同じ舞台で





圧倒的に流れを支配していた


ホームのバイエルンに対し








自らの一発でPK戦まで持ち込み









そして



PK戦で






最後のキッカーとして


決めれば勝てるという







その舞台を自ら演出し















見事に決めた。











4年前を知っているサッカーファンにとってはたまらない瞬間だった。













感動はそこで終わらない。






この試合


ドログバに同点ゴールを決められたあと





バイエルンには


勝てる絶好のチャンスがあった。








試合中のPKを獲得し



キッカーはロッペン。








しかし



チェルシーのエースキーパー、チェフが見事に止めた。









あのPKをロッペンが決めていればバイエルンは勝っていただろう。









それを相当引きずっていたようで


最後のPK戦ではキッカーを辞退したようだ。










負けが決まった瞬間


ピッチに崩れ落ちたロッペン。












そしてもうひとり


立ち上がれない人が。








PK戦で外してしまった


バイエルン・ミュンヘンの叩上げ選手である







バスティアン・シュバインシュタイガー。







外した瞬間からウェアを頭から被り








敗戦が決まってからも


ずっとずっとピッチに泣き崩れたまま。







バイエルンを愛し


バイエルンのために努力してきた。






誰よりもバイエルンに栄冠を与えたかったであろう


黄金時代と呼ばれているメンバーの主力でもある彼の心中は








想像するだけでも辛い。









このふたりの苦しみや悲しみ



やりきれない怒りと絶望を










誰よりも知っている











勝った




チェルシーのドログバは













ふたりを



ひとりひとり







一生懸命話しかけながら



















抱きしめていた。
















私がサッカーで泣いたのは







初めてだ。




















同じ日の夕方。





寝たり起きたりを繰り返しながら



激しい下痢に苦しみ出し



下がらない熱にイライラしながら朦朧としていた頃






またTVをつけ



チャンネルを回していたら







大相撲の千秋楽が。












平幕同士の優勝決定戦という









前代未聞の









ゴルフで言えばプレーオフ。



サッカーならPK戦だ。














八百長(無気力相撲だっけ?w)がまかり通っていた時代には







考えられない決勝戦だ。












ようやく



インチキ相撲がなくなったんだと感じた人は









きっと私だけじゃないだろう。











モンゴルを出て20年。






今、日本で活躍している多くのモンゴル出身者の兄貴分として


ずっと頑張って続けてきた力士だそうだ。






その旭天鵬が勝った瞬間の両国は




すごい歓声だった。







観客の多くは





日本人である若い栃煌山より


モンゴルから帰化した37歳の旭天鵬を応援していたように感じた。








なるほど。


そういうことか。







ファンはよく知っている。





国籍や人種だけじゃない。








応援したくなるのには



ちゃんとした理由が誰にでもある。











私は特に



大相撲ファンというわけではない。








表彰式まで見るほどの興味は元々ない。










しかし今回は




どんなに身体が辛くても見たかった。


インタビューも聞きたかった。











本当に素直で



人柄の表れた人間味溢れるインタビューだった。











その最中に





唯一の横綱として


怪我を押して必死で頑張ったモンゴルの後輩である白鵬が







なんと



優勝パレードの旗手を務めたいとの申し出があったと。











素晴らしい横綱だ。














大相撲で涙したのも



これが初めて。








勝負が終わった後は



立場も肩書きも実力差も関係ない。











負けた相手を慈しみ






勝った相手を称える。













国や人種



競技は違っても













音楽や芸術と同じで












スポーツマンシップは






世界共通。












勝つことだけがすべてじゃない。



負けることが失うことでもない。










ロッペンやシュバインシュタイガー



バイエルンのチームや関係者は





きっとこの準優勝を糧に





チェルシーのように



ドログバのように







きっと不死鳥のように



きっと新たな感動を与えてくれるに違いない。










優勝決定戦で旭天鵬に破れた






若き平幕の


栃煌山も





純粋な日本人期待の星として




また活躍してくれるに違いない。








37歳で



平幕の旭天鵬は






優勝するまでは


相撲界ではきっと負け組だっただろう。







20年。



諦めないで良かったと。


辞めないで良かったと。









どっかで聞いた台詞だけど(笑










負けてきた経験が勝つために必要だったことを。



早く勝つことが大事なんじゃないことを。









今がだめでも




続ける限り




諦めない限り








チャンスは必ず来るんだと。












負けが決まるときは







負けた時じゃない。



負けを認めたときでもない。












諦めた時だけ。
















どんなに負けていても


次は勝ちに行こう。




ずっと頑張ってきた君の努力


報われるように。








夢の方からは


そっぽ向かないよ。




勝手にこっちから背を向けてしまうもの。








何があったって


その手伸ばすんだ。




運はがむしゃらの味方。











君にできる









すべてのことをやれ!